<< 東京市場の動き >>
週明け22日の東京市場は、ドル高・円安。とくに大引けにかけて上値を伸ばす展開となり、先週来のレンジ上限と面合わせしている。
前週末に「米国がロシアとの中距離核戦力(INF)全廃条約破棄」を表明、そして「トルコにおける記者失踪事件」について、「記者の死亡が明らかに」−−といった出来事があったが、為替市場への影響は限定的。ドル/円相場は、前週末のNYクローズと大差ない112円半ばで寄り付いている。
その後、112.35円レベルまで小緩むも下値を攻めきれずに反発すると、一転してドルはじり高に推移。夕方にかけては112.75円程度まで値を上げ、先週来のレンジ上限と面合わせする局面も観測されていた。16時時点でも、ドルは112.70円台の高値圏をキープしたまま、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「サウジ事件」と「イタリア情勢」について。
前者は、先週末から、「トルコにおける記者失踪事件」に対して様々な報道が相次ぐ。たとえば、「サウジ当局は記者の死亡認めるも、殺害は否定」、当初は「サウジ政府の説明は信用できる」と述べていたトランプ米大統領はその後「当局発表に満足していない」と発言を一変させたうえで、制裁の可能性を示唆したことが明らかになっている。
対して後者は、ロイターが「イタリア予算案を欧州委が23日に拒否すると予想」と報じるなか、伊メッサジェロ紙から「EUへの回答で2.4%の赤字目標を確認へ」との報道が観測されていた。
<< 欧米市場の見通し >>
今月11日以降形成していたレンジ、111.60-112.70円を本日東京時間に上抜きに掛かってきた。実際、一時112.75円レベルまでドルは値を上げている。ドル高方向のリスクが再び高まる感もあり、このままドルは続伸し113円台に向けた動きをたどる可能性も否定出来ない。しかし、懸念されることのひとつが今年によくみられる光景である「形成レンジを若干広げただけで元の木阿弥、再びレンジ取引入り」−−となることだ。ドルの高値掴みにも一応の注意を払いたい。
材料面では、米中間選挙を控え、引き続き貿易問題についての懸念がくすぶるなか、先で取り挙げた「トルコにおける記者失踪事件」や、「米露の中距離核戦力(INF)全廃条約破棄を表明」、NYタイムズが報じた「米政権、『トランスジェンダー』排除を検討」−−など、次から次へと米国を取り巻く問題が顕在化している。それぞれ、米政府の対応など続報には注意する必要がありそうだ。
テクニカルに見た場合、東京時間に過去10日ほどのレンジ上限(112.73円)を更新したが、上値は限定的。112.75円レベルでドルは上げ渋っている感も否めない。リスクという点ではややドル高方向にバイアスがかかるものの、上値を積極的に買っていくのも難しそうなイメージだ。
移動平均の25日線など複数のテクニカルポイントが位置する112.80-85円、あるいは直近高値114.55円を起点とした下げ幅の半値戻しの113.05円レベル−−といった具合にドル高方向のテクニカルポイントは数多く、引き続きドルの上値は重い状況が続く可能性もある。
一方、材料的に見た場合、9月のシカゴ連銀全米活動指数といった米経済指標が発表されるものの、全体を通せば若干材料難か。今週は、米地区連銀総裁などによる講演が少なくないのだが、本日はとくにこれといった予定がうかがえない。
ただ、「米露の中距離核戦力(INF)全廃条約破棄を表明」について、ボルトン米大統領補佐官が本日から訪露、ラブロフ外相やプーチン露大統領と会談し、説明を実施する見込みとされている。関連のニュースには注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、112.20-113.20円。ドル高・円安方向は、へ本稿執筆時に推移しているレンジ上限112.70-75円の攻防にまずは注視。上抜ければ112.85-90円や113.05円などがターゲットになりそうだ。
対するドル安・円高方向は、本日の東京安値でもある112.35円レベルや、112円前後が目先のサポートか。割り込めば移動平均の75日線が位置する111.80-85円や、直近安値111.63円などが視界内に。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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