ユーロ反発、伊格付け見通し「安定的」で
週明けの東京市場でユーロは1.15台前半で推移。
先週末にはイタリア政府の予算を巡るEUとの対立が現実化しつつあったことでユーロドルは一時直近の安値に迫る1.1433まで売り込まれる局面もありました。しかし、その後海外時間にイタリア政府の予算見直しへの言及やEU当局者からイタリア予算に対し寛容な発言が出たこと、引け間際にムーディーズのソブリン格付け引き下げが発表されたものの見通しが「安定的」に変更されたことなどから買い戻され、1.15台を回復して越週、本日東京時間も1.1500-15の狭いレンジでの取引が夕刻まで続きました。
週明けの欧州市場ではイタリア国債、株式が大きく買い戻されて始まったことからユーロドルは夕刻一時1.1550まで上値を伸ばしましたが続かず、東京時間18:30現在は1.1510-15レベルでの取引です。
ムーディーズは19日にイタリア長期国債の格下げを発表しましたが、投資適格の最低格付けの「Baa3(トリプルBマイナスに相当)」へ1段階下げにとどまり、加えて見通しが「安定的」に変更されました。
格付け引き下げについてムーディーズは、当初の想定よりもイタリア政府が高い財政赤字比率を目標に掲げ、財政が弱まることが予想されること。また、政府の経済予想が過度に楽観的なものであることを指摘している一方で、イタリアは大きな信用力を有しており、実質的な経常黒字や、均衡のとれた国際投資ポジションを強みとしていること、イタリアの家計には高いレベルで富が蓄積されていて、将来的な経済のショックや、潜在的な政府の財源となりうることを指摘しています。
最低でも一段階の格下げと見通し「ネガティブ」の維持、最悪は投資不適格への二段階引き下げを懸念していた金融市場にとって、今回のムーディーズの判断はポジティブサプライズとなり、週明けの欧州市場にはやや楽観ムードが広がっています。
しかし、一方で本日現地時間正午までに予算修正を迫られているイタリアでは、今朝もディマイオ副首相がラジオで「予算を変更する予定はない」と発言、序盤に3.3%台まで下げたイタリア10年もの国債利回りは3.42%近辺まで戻しており、手放しで安心できる状況ではありません。イタリアはGDPの2.4%を「赤字目標」では無く「上限」とすることでこれを切り抜けようとしている模様。
テクニカルにはユーロドルは日足の一目均衡表の「雲」に押し返された形となっており、ここで方向感を無くしています。上値は「雲」に突入しつつある21日移動平均線(1.1568)のレベル、更に1.1620-25のラインを越えられれば反発局面入りも考えられますが、今のところ上値は重く、イタリアの「詭弁」が通じず、予算がもめるようであれば再度10/9安値1.1432を試す局面もありそうです。
本日この後は21:30に米シカゴ連銀全米活動指数がある程度で全般的には材料難。序盤の欧州株価指数先物はイタリア株を中心に買い戻しが入りほぼ全面高の様相です。
ユーロドル日足
オーダー/ポジション状況
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