ドル円は基本レンジ取引か、欧州情勢注視(10/18夕)

18日の東京市場は、ドルが小安い。ただ、形成レンジは30ポイントほどにとどまるなど値動きは限られた格好で、下値も取り敢えずは堅かった。

ドル円は基本レンジ取引か、欧州情勢注視(10/18夕)

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18日の東京市場は、ドルが小安い。ただ、形成レンジは30ポイントほどにとどまるなど値動きは限られた格好で、下値も取り敢えずは堅かった。

ドル/円相場は、112.65円前後で寄り付いたのち、112.70-75円の日中高値を記録したが、以降は冴えず。前日比30円高とプラス圏で寄り付いた日経平均株価が、マイナス圏へ転落。終値ベースでは182円安となったことなどが嫌気され、リスク回避の円買いが徐々に優勢になると、ドル/円はじりじりと値を下げている。日中安値の112.40-45円まで下落し、16時時点でも安値圏である112円半ばで推移、欧米時間を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「米為替報告書」に関する話題と「英国ファクター」について。
前者については、17日のNY終盤に米財務省から発表され、「中国の為替操作国認定見送り」のほか「日本やドイツ、インド、韓国」なども認定はされなかった。しかし、それに準ずる「監視対象国指定」が維持されたほか、日本については、「大幅な対日貿易赤字が続いていることを引き続き懸念している」と言明されるなど、引き続き予断は許さない。
対して後者は、「EU首席交渉官、英離脱交渉妥結にはさらに時間が必要」、「欧州議会議長、英国からの新提案はない」といった報道のほか、メルケル独首相から「英の合意なし、EU離脱へ準備を開始」との発言なども観測されていた。

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ここ1週間ほど推移していた111.60-112.50円というレンジを昨日欧米時間に上抜けたが、上値は112.70円手前まで。本日東京でも112.70円台でドルは上げ渋っている。一時111.63円まで下落したような、ドルの下値不安はかなり和らいでいるものの、再び114円台に向けたドル高軌道に戻れるかどうかは微妙な状況だ。テクニカルには、移動平均の25日線などが位置する112.80-85円の攻防が注視され、抜ければ113円台回復も。
材料面では、引き続き米貿易問題についての関心が高いが、懸念されていた「米為替報告書」は昨日発表され、前述したように中国や日本は「為替操作国認定見送り」となった。予断は許さないものの、足もとは若干小康を保つかもしれない。それに対して、新たに材料視されているのが、18日まで実施される「EU首脳会談」。イタリアの財政問題や英国のEU離脱問題のほか、ドイツやフランス、ギリシャなどでも政権不安が指摘されるなど、欧州情勢は総じて不安定だ。ユーロなど欧州通貨を主役とした相場動静をたどることを予想する声も少なくない。

テクニカルに見た場合、過去1週間ほどのレンジ上限である112.50円を上抜け、続伸期待が高まるも、値はそれほど走らず。ヒョッとすると、以前から幾度もレポートしているような「形成レンジを若干広げただけで元の木阿弥、再びレンジ取引入り」−−する可能性もありそうだ。
それを回避するには、目先高値の112.70-75円、あるいは移動平均の25日線など複数のテクニカルポイントが位置する112.80-85円を「しっかり」と超えたいところ。クリアすれば、直近高値114.55円を起点とした下げ幅のフィボナッチ61.8%戻し113.05円レベルがターゲットに。

一方、材料的に見た場合、10月のフィラデルフィア連銀景況指数といった米経済指標が幾つか発表されるほか、ブラード・セントルイス連銀総裁やクオールズFRB副議長による講演も実施される見込みだ。それらには一応要注意。
ただ、本日は「EU首脳会議」を控えていることを受けた欧州情勢、ユーロやポンドなど欧州通貨の動きを警戒する声も少なくない。なお、ロス米商務長官は昨日、「米国とEUの通商協議をEU側が遅らせている」と批判しており、米欧貿易協議の行方も気に掛かる。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、112.05-113.05円。ドル高・円安方向は、東京高値の112.70-75円が最初の抵抗で、上抜ければ112.80-85円や113.05円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日東京時間まで抵抗だった112.40円レベルの攻防にまずは注視。以降の動きを見ると、今度は逆にサポートとして寄与している感がある。割り込めば112円前後や、移動平均の75日線が位置する111.80-85円が意識されそう。

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