ドル円見通し 15日安値から反転、戻り試し中(10/18)

10/17は午前高値で112.41円まで戻し、夜間は米住宅統計が弱かったこと、ユーロ円で円高もあって112.01円の安値をつけたが112円割れを回避して反発した。

ドル円見通し 15日安値から反転、戻り試し中(10/18)

【概況】

10月4日高値114.54円から下落に転じ、10月8日の上海株急落、10日から11日にかけての世界連鎖株暴落等から続落して15日夕刻安値で111.62円まで下げた。この間の下げ幅は2.92円。5月23日高値から5月29日への反落が3.27円、7月19日高値から8月21日への反落が3.38円であり、それらの下落時よりは下げ幅がやや小さい。5月の反落時は52日移動平均まで下げてから切り返し、26日移動平均を上抜き返したところから上昇再開へと進んだ。今回も52日移動平均を若干割り込むところまで下げてから26日移動平均に近いところまで戻しているところだ。10月15日安値からの反発はまだ角度的には緩やかだが、現状からさらに続伸してくる場合は日足レベルにおいて5月29日安値からの反発開始時、8月21日安値からの反発開始時等に近い姿となってくる。上昇再開へ進めるのか、急落に対する半値手前までの戻りで止まり下落再開へ向かうのか、週後半の展開が大事になってくる。

10月17日は午前の高値で112.41円まで戻し、夜間では米住宅統計が弱かったこと、ユーロ円での円高もあって112.01円の安値をつけたが112円割れを回避して反発した。さらに18日未明のFOMC議事録公開内容が利上げ姿勢継続性を示すものだったことでドル高感が強まって18日早朝には112.71円まで高値を切り上げている。
米商務省が発表した9月の住宅着工件数は季節調整後年換算で120万1000戸となり前月比5.3%減少、市場予想の122万戸を下回った。先行指標である住宅着工許可件数は124万1000戸で0.6%減少し、市場予想の127.8万戸を下回った。

【FOMC議事録】

FOMC議事録では特段のサプライズ内容は無かったものの公開後は総じてドル高反応となっている。
議事録では「参加者は総じて、FF金利誘導目標レンジのさらなる漸進的な引き上げが経済活動の持続的拡大、力強い労働市場環境、インフレ率が中期的に2%付近で推移することと合致する可能性が高いと予想した」とし、また「数人の参加者は政策が当面やや抑制的になる必要があるとの見解を示し、他の幾人かはFF金利を当局が予想する中長期的なレベルを上回る水準へ一時的に引き上げることが必要になると判断した」とした。これらは現在の漸進的な利上げ継続姿勢を堅持し、利上げ終点の議論をしつつも当面は景気過熱抑制レベルまで利上げを継続してゆく姿勢を示すものと市場は受け止めた。

議事録公開以前からユーロは英国の離脱問題がEUとの合意形成に至らないことやイタリア政府予算案をEUが拒否しているとの報道等で下落しており、公開後も続落した。16日夜に10月9日以降の高値を更新したがその後の下落で12日夜安値を割り込んでいるため先安感がやや強まってきている。英ポンドもEU離脱問題での楽観と悲観が入れ替わりに伴い上昇下落を繰り返しているが、12日夕刻高値からは下落基調にあり、15日朝安値を割り込んできているために先安感が強まり始めている。これらもドル高要因としてドル円にとってはドル高円安へ傾斜しやすい環境を提供している印象だが、英国とイタリア問題での悲観がさらに強まるようだとクロス円での円高が際立ってドル円での下落要因に転じる可能性もあると注意する。

米中貿易戦争問題も懸念材料が増えた。米政府高官は国際的な郵便ルールを定める万国郵便連合(UPU)から脱退する準備に入ったと述べ、中国企業が安い価格で米国に小型郵便物を配送する事を認めていると批判した。17日の上海総合株価指数は一時年初来年安値を更新するなど軟調な推移が続いている。また人民元も安値圏にとどまっており、週末の中国国家統計局による四半期GDPの内容如何では上海株及び人民元の下落が目立ち始める可能性があり、その場合はリスク回避的な円高要因になりかねないと注意する。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、10月4日高値以降の連続的な弱気サイクルが続いてきたが、15日夕刻安値から2日間にわたってジリ高が継続した。17日朝時点では15日夕安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとし、今回の高値形成期を17日の日中から17日夜にかけての間と仮定したが、直前8日間の下落からの出直りとしてサイクルトップ形成が延長される可能性もあるとした。15日安値を基準として次の安値形成期が18日から22日にかけての間とすれば、その範囲内として18日から19日にかけての間はサイクルトップ形成の延長期となる可能性がある。
またトレンドが変わる段階ではサイクルを短縮させて強気サイクルの連続へ進むケースがあるので、18日夜から19日にかけて続伸する場合は17日深夜安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとして22日から24日にかけての間へとさらに上昇が継続する可能性も出てくるかもしれない。
それらを踏まえつつ、17日夜安値112.01円を割り込まない内は上昇継続性ありとし、112.01円割れからは弱気サイクル入りとして18日夜から22日にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では18日早朝への高値更新に際して指数のピークも切り上がっているため弱気逆行は見られない。70ポイント台は高値警戒感が出るところだが、いったん小反落して次の高値更新時に指数のピークが切り下がるなら弱気逆行発生として下落再開へ向かいやすくなると考える。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、112.40円を支持線、112.80円から113.00円を抵抗帯とみておく。
(2)112.40円を上回る内は上昇余地ありとし、112.80円超えからは113円試しへ向かうとみる。10月4日から15日への下落に対する半値戻しが113.08円にあるので113円到達では売られやすいとみるが、112.40円以上を維持する内は19日にかけても高値試しを続けやすいとみる。
(3)112.40円割れからは弱気転換注意として17日深夜安値112.01円試しとし、底割れからは弱気サイクル入りとして15日安値111.62円試し、さらに底割れからは111円前後試しへの下落期へ進みやすくなると考える。

【当面の主な予定】

10/18(木)
休 場 (印) デサラ祭
17:30 (英) 9月 小売売上高指数 前月比 (8月 0.3%、予想 -0.4%)
21:30 (米) 新規失業保険申請件数 (前週 21.4万件、予想 21.0万件)
21:30 (米) 10月 フィラデルフィア連銀製造業景況指数 (9月 22.9、予想 20.0)
22:05 (米) ブラード・セントルイス連銀総裁、講演
23:00 (米) 9月 コンファレンスボード景気先行指数 前月比 (8月 0.4%、予想 0.5%)
25:15 (米) クオールズFRB副議長、講演

10/19(金)
08:30 (日) 9月 全国消費者物価指数 前年同月比 (8月 1.3%、予想 1.3%)
08:30 (日) 9月 全国消費者物価コア指数 前年同月比 (8月 0.9%、予想 1.0%)
11:00 (中) 7-9月期GDP 前年同期比 (前期 6.7%)
11:00 (中) 9月 小売売上高 前年同月比 (8月 9.0%)
11:00 (中) 9月 鉱工業生産 前年同月比 (8月 6.1%)
15:35 (日) 黒田日銀総裁、全国信用組合大会で挨拶
17:00 (欧) 8月 経常収支 (7月 213億ユーロ)
22:00 (米) カプラン・ダラス連銀総裁、講演
23:00 (米) 9月 中古住宅販売件数・年率換算件数 (8月 534万件、予想 529万件)
24:30 (英) カーニー英中銀総裁、講演
25:00 (米) ボスティック・アトランタ連銀総裁、討論会参加

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る