<< 東京市場の動き >>
12日の東京市場は、ドルが小じっかり。レンジそのものは決して広くなかったが、夕方にかけてドル高が進む「大引け高」の様相で、ドルの強さが目に付いた。
ドル/円相場は、112.10-15円で寄り付いたのちしばらくは揉み合い。次の方向性を探る動きとなったが、上値をキャップしていた112.20円レベルを超えると、ドルはじり高に推移したまま夕方には日中高値である112円半ばまで値を上げている。日経平均株価が7日ぶりに反発へと転じ、103円高で大引けたことも好感されていたという。
16時時点ではドル高値圏の112.45円前後で推移し、欧米時間を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「トランプファクター」について。
前日のNY時間から、トランプ米大統領自身による「FRBは金利で大きな過ちを犯しつつある」「株価下落は制御不能な金融当局の責任」といった発言が聞かれたほか、その後も米紙WSJは「トランプ氏、セッションズ司法長官の後任を検討」、同「パウエル元副補佐官、次期米国連大使の就任辞退」、ロイターは「米政権、トルコで拘束されている牧師釈放を期待」、CNN「トランプ氏、ロシア疑惑捜査に書面回答か」−−などといった報道が相次いでいる。
なお、それとは別にインドネシアG20財務相・中銀総裁会議が閉幕、そのなかで米中の貿易戦争については「G20は議論の場を提供できるが、衝突は当事者同士で解決しないといけない」(議長発言)といった見解にとどまり、明確な協調策は見いだせなかったようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
10月3日の114.55円を高値に、昨日には111.83円まで下押しが入ったものの、その後ドルは小じっかり。株価次第といった側面は否めないものの、早くも調整が一巡した可能性も取り沙汰されている。テクニカルに見た場合には、昨日レポートしたなかなか強いサポートである112円前後を「しっかり」とは割り込めておらず、ドル高基調も維持されたまま。一気に114円台を回復し高値トライするような展開も見込みにくいが、ドルは112-113円台を中心に底堅い値動きを予想する声も少なくない。
材料面では、注目のインドネシアG20財務相・中銀総裁会議が閉幕し、「貿易摩擦解決の必要性を共有で一致」したものの、実際の解決手法は当事者同士に丸投げという、具体性の乏しい内容となっている。11月末とされる米中首脳会談開催をにらみつつ、両国間の抗争には引き続き注意を払いたい。また、ロイターは「ライトハイザー米通商代表部代表が、有力上院議員らに、日本とEU、英国、フィリピンと通商交渉に入る意向を伝えていたことが、関係筋の話で分かった」と報じており、日米貿易問題などが今後再び俎上にのぼる可能性もあり、こちらも一応要注意。
テクニカルに見た場合、昨日レポートした「相撲でいえば徳俵上」の112円前後で下げ止まると、足もとのドルは小じっかりとなっている。下値不安が完全に払しょくされたわけでないものの、ドルは目先底堅く推移するとの声も聞かれていた。
ちなみに、112円レベルを再び割り込んだ場合の下値メドは、目先安値の111.83円や8月安値109.77円を起点としたフィボナッチの61.8%押しにあたる111.60円などがターゲットとなる反面、112円前後でサポートされドル高に振れた場合には、移動平均の25日線が位置する112.70-75円、一目均衡表の転換線が位置する113.20円前後などが意識されそうだ。
一方、材料的に見た場合、10月のミシガン大学消費者信頼感指数速報といった米経済指標が発表されるほか、ボスティック・アトランタ連銀総裁などによる講演も実施される見込みだ。また、JPモルガン・チェースやシティ・グループといった米金融機関大手が四半期決算を発表する予定もあり、そちらも注意を払いたい。
そのほか、「英首相が一部閣僚に合意は近いと表明した」とされる英のEU離脱交渉の行方をはじめとされる欧州ファクターも、波乱要因として引き続き要注意だろう。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、111.80-112.80円。ドル高・円安方向は、昨日NYの高値である112.50-55円が最初の抵抗で、抜ければ25日線が位置する112.70-75円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、112円前後の攻防に引き続き注目。割り込んだ場合には昨日安値の111.83円、8月安値109.77円を起点としたフィボナッチの61.8%押しにあたる111.60円などを目指す展開に。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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