ドル高基調継続だが、短期は調整見込む声も(10/2夕)

2日の東京市場は、ドル安・円高。調整と思しき動きから、一時113.70円台までドルが軟落するなどドルはやや冴えなかった。

ドル高基調継続だが、短期は調整見込む声も(10/2夕)

<< 東京市場の動き >>

2日の東京市場は、ドル安・円高。調整と思しき動きから、一時113.70円台までドルが軟落するなどドルはやや冴えなかった。

ドル/円相場は、113.90-95円で寄り付いたのち、高値圏で揉み合い。日中高値として114円台を記録する局面も観測されたが、ドル買いは続かなかった。そののち、夕方にかけて調整と思しき動きが優勢になると、113.70-75円までドルは弱含みに。そのまま16時時点でも日中安値圏で推移し、欧米時間を迎えていた。
なお、前述した円買い優勢の動きは、ドル/円だけでなく、クロス全般でも。実際、ユーロ/円やポンド/円は東京時間だけで80ポイント程度と、なかなか大きく値を下げている。

一方、材料的に注視されていたものは、「トランプファクター」について。
前日から大統領自身による「中国との通商協議は時期尚早」「新貿易協定は数十万の米雇用を支える」「日本との通商協定に取り組んでいる」−−などといった発言が聞かれるなか、カドロー米NEC委員長から「11月のアルゼンチンG20サミットに合わせて米朝首脳会談も」との見解が指摘されていた。
なお、散発的に安倍改造内閣の閣僚人事について、ここ数日様々報じられたが、本日午後に菅官房長官から実際の閣僚名簿が明らかにされている。ただ、麻生財務相や河野外相など主要閣僚が留任のうえ、各種メディアで事前に報じられた内容におおむね沿ったものであったため、相場変動に繋がることはなかったようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

本日の東京時間は、小幅な調整が入った格好だが、基本的なドル高の流れは依然として継続中だ。一連のドル上昇が始まった8月安値109.77円を起点と考えても、ドル高の調整は最大で1.5円ほど。そして今回の下げは、それに遠く及ばない。短期的には、いま一段の下押しも否定できないが、その場合でもドルは底堅く推移する可能性がある。
材料的には、米貿易要因などが潜在的には懸念されているものの、今週は週末に米雇用統計発表が予定されていることもあり、足もとは米ファンダメンタルズや金利、そして米株の動きなどへの関心が高い。また、英国やイタリアなど、再び不安定な情勢をたどっている欧州諸国も少なくないだけに、ドル/円よりも欧州通貨主導の値動きを予想する声も聞かれていた。

テクニカルに見た場合、本日の東京時間に小幅な押しが観測されたものの、基調は変わらず。中期的なターゲットが昨年11月高値の114.74円ということにも変化はないようだ。
しかし、8月安値109.77円ではなく、足もとのドル高がはじまった9月7日安値110.38円を起点とすれば、1ヵ月近くも調整らしい動きは一度もなく、日足などのチャートをみても綺麗な上昇型のトレンドラインを形成していることがうかがえる。目先はレンジ内でドル上げ渋りの動き、あるいはトレンドラインの下限(サポートライン=本日は113.05円前後)に接近するような動きがあっても不思議はないかもしれない。

一方、材料的に見た場合、重要な米経済指標の発表は予定されておらず、そうした意味では若干動きにくい雰囲気も。しかし、本日はクオールズFRB副議長の議会証言や、パウエルFRB議長の講演などが相次ぐだけに、米通貨当局者による発言には注意を払いたい。
そのほか、先でも指摘したイタリアや英国などを中心とした欧州ファクターにも要注意か。とくに英国は、明日の保守党大会最終日におけるメイ首相の演説などを控え、EU離脱に関する思惑が出やすいのかもしれない。状況如何で乱高下することもありそうだ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、113.30-114.30円。ドル高・円安方向は、昨日記録したドルの戻り高値の114.06円の攻防にまずは注視。抜ければ、少し遠いが114.74円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、東京夕方に弱いサポートが位置する113.60-70円割れをうかがう様相となっており、下回れるか否かに注目したい。下回ると、113.20-30円や113円レベルが次の下値メドとなりそうだが、いずにしても大崩れすることは予想しにくい。(了)

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