豪州中銀・金融政策決定会合要旨(2018年10月2日開催分)
豪州準備銀行(中銀)政策金利
現行の1.50%で据え置き決定。(市場の予想通り)
(中銀の委員会要旨)
本日の会合で、委員会はキャッシュレートを現行の1.50%に据え置くことを決定した。
世界経済の拡大は続いている。幾つかの先進国では平均トレンド以上の成長を見せ、失業率は低下している。中国経済の成長は幾分下がった。当局は緩和政策を採る一方で、金融市場のリスクや安定的な成長に目を配っている。原油価格の高騰や幾つかの国で賃金が上昇しているけれども、世界的なインフレは低いままとなっている。米国含め、労働市場がタイトになりインフレ上昇が見込まれる。先行きの見通しで不確実性の1つに、米国の世界貿易政策の方向性に関するものがある。
幾つかの国では徐々に引き締めている状況もあるが、先進国経済の財政状況はまだ緩和的である。国債のイールドは緩やかに上がっている。しかし信用スプレッドは依然狭いままである。今年になってからは米ドル高となっている。豪州でも、金利は年初よりも高くなっているが、6月末以降は緩んでいる。小口の不動産金利は上昇したものもあれば、同時に幾つかの新規ローン金利は下がっている。
最近の指標で、豪州経済はGDPが3.4%となり、過去と比較し力強くなっていることが確認された。中銀見通しでも2018年と2019年通して、GDPは3%を少し越えるとの予想は変わらない。企業の状態はポジティブで、非鉱山関連投資も拡大している。加えて、高水準の公共インフラ投資が経済を支えている。資源輸出も伸びている。引き続き不確実な要因の1つとして家計消費の先行き見通しである。家計収入の伸びは低く、債務水準は高いままである。干ばつが農業部門の一部に困難な状況をもたらしている。
豪州の交易条件は、商品価格の上昇によりここ2年で上昇している。この先は下降が見込まれているが、それでも相対的に高い水準を維持している。豪州ドルは貿易加重平均ベースで過去2年はレンジ内で推移している。しかし、他の通貨同様に対米ドルで安くなっている。
労働市場は依然ポジティブである。失業率は5.3%まで下がった。これは過去6年間で最低水準である。求人率は高く、幾つかの部門では熟練技術者の不足が見られる。失業率の改善は先々も予想され、今後2年位で5%まで下がると予想している。幾分改善は見えるが、賃金の伸びは依然低い。経済の改善でこの先の賃金の伸びは上がるだろうが、その進展度合いは緩やかだろう。
インフレは約2%になっている。中銀の見通しでは、2019年と2020年には現在より上昇すると予想している。ただ9月末期では公共価格の下落で下がり、2018年のインフレは下がると予想されている。
(住宅関係は略)
低金利は引き続き豪州経済を下支えしている。先々は失業率が低下し、インフレは目標内で推移することが見込まれている。但し、この進み具合は緩やかである。現状取り得る情報をベースにすると、委員会は金利を現状のまま据え置くことを判断した。これにより、持続的経済成長を促し、インフレの目標値達成に寄与するだろう。
(要旨以上)
(注)豪州中銀金融政策会合要旨は一部を和訳したものであり、詳細は金融政策要旨本文をお読みください。
要旨内容は前回9月と全くと言っていいほど変わりませんでした。発表後の相場は20ピップス程度の動きに留まり、今回の金融政策も材料になり得ませんでした。
昨日10月1日のレンジも0.7207〜0.7232で僅か25ピップスの幅しかなく、当面の大きな材料は今週金曜日の米雇用統計になりそうです。(10月2日14時30分、1豪ドル=0.7215米ドル)
尚、次回金融政策会合は2018年11月6日(火曜日)に予定されています。
(以上)
オーダー/ポジション状況
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