ユーロ レンジ下限に接近 伊情勢混迷深まる(10/2夕)

2日の東京時間にユーロは対ドルで続落。朝のうちは1.15台後半で横ばい推移していましたが、イタリア政権内部からの「独自通貨による解決」発言がユーロの地合いを悪化させ

ユーロ レンジ下限に接近 伊情勢混迷深まる(10/2夕)

ユーロ「レンジ下限」に接近 伊情勢混迷深まる

2日の東京時間にユーロは対ドルで続落。朝のうちは1.15台後半で横ばい推移していましたが、イタリア政権内部からの「独自通貨による解決」発言がユーロの地合いを悪化させ午後に入りユーロ売りが加速、1.1550を割り込みました。
ユーロドルは東京時間18:15までにトルコショックの下げを除く「中期レンジ」のほぼ下限に相当する1.1505まで下げて引き続きユーロ安値圏での取引です。

これに先立ち昨晩の海外市場では、ユーロ圏財務相会合が開催され、イタリアのトリア財務相が予算案を説明した模様ですが、出席者から「ボールがライン上にあれば議論もできるが、コートの外にボールがあるなら議論はできない」などと完全に否定的な意見が出たのに対し、トリア伊財務相は「折衝は継続中で予算提出の段階で再度話し合う用意がある」と発言したと伝えられています。同日に欧州委員会のユンケル委員長はギリシャ危機を念頭に「危機は一回で十分だ」「イタリアは厳密かつ公正に扱われなければならない」とイタリアの財政赤字拡大予算に対する厳しい姿勢を明らかにしました。

イタリア政権側はこれに反発、午後にまず、イタリア下院予算委員長で「同盟」のボルギ氏が「ユーロはイタリアの財政問題を解決するには不充分」とユーロ離脱と独自通貨による問題解決を示唆、(後に個人的意見と弁明)、その後「五つ星運動」の党首であるディマイオ副首相はインタビューでユーロ圏あるいはEUを離脱するつもりはないとしながらも、予算案に関しては「1ミリも引き下がるつもりは無い」と発言、さらに「同盟」のサルビーニ副首相も「ユンケル委員長は、イタリアとギリシャを一緒に考えている。わが国でそのような脅しを信じる者は誰もいない」と反論し、自国民への公約を優先する姿勢を確認しました。

強硬姿勢を崩さないイタリア政権のポピュリストとEU首脳部の応酬の泥沼化にイタリア株、国債は一段安、イタリアの指標国債金利は一時0.1%を上回る上昇を見せました。一方でドイツ、フランス等の国債利回りは低下、域内の「南北間」資金シフトが加速しています。

ユーロドルは昨日からの下落で日足の一目均衡表の「雲」の下限を抜け8月のトルコ危機時を除く「中期レンジ」の下限にほぼ到達しています。今回の財政赤字問題によるユーロ売りは、ややポピュリストの思惑や煽動に振り回され過ぎの感もあり一旦はレンジ下限で踏みとどまっていますが、今のところ予想の最悪の上を行く選択を続けているイタリアからは何が飛び出すかわからず、引き続き警戒は必要です。

今晩はユーロドルが1.1500の「レンジ下限」を再度下方向に明確にブレイクするかに注目です。
今のところユーロ売りに過熱感はないものの、既に8月に一度短期間での1.1301までの下落を見ているため、1.15を下放れしていく場合にはその水準を意識して下値が広がることは避けられないものとも思われます。

序盤の欧州株価指数先物はほぼ全面安。今晩この後大きな経済指標等の発表は予定されていません。

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ユーロドル日足

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