ドル円反落、ターゲット達成と欧州情勢懸念でリスク選好後退
2日の海外市場でドル円は反落。昨晩は大きな経済イベントが無い中で、海外序盤はイタリアポピュリスト政権とEU首脳部との対立が深刻化によるユーロ売りでユーロドルが1.15に接近、リスク選好の後退にドル円でも一時113.53まで円に買戻しが入りました。
その後はレンジ下限に達したユーロの下げ止まりもあり、ドル円は夜半以降113円台後半で方向感を失い、東京時間7:00現在は113.60-65レベルでの取引です。
パウエルFRB議長は日本時間深夜に講演し、最近の賃金上昇ペースの加速をインフレや労働生産性の伸びと整合している現象であるとしてこれを歓迎する姿勢を示しました。
ただ、内容的には先週のFOMC時点と大きくは変わらず為替市場への影響は限定的でした。
テクニカルにはドル円は7-9月に形成された緩やかなトリプルボトムのターゲットレベルに達して反落。短期的には達成感もあり、すぐに次のターゲットである昨年11月高値114.73をつけに行く勢いは感じられません。今週は週末の米雇用統計にむけて次第に調整色が強まることも予想され、ドル円もこのレベルで一旦様子見となる可能性が高いと思われます。
一方でイタリアをめぐる情勢は混迷を深めており、コンテ首相がユーロ離脱の考えが無いとの声明を出したことで昨晩のユーロ下落は一旦沈静化したものの、問題の根源の予算案に関してポピュリスト政権を代表するディマイオ、サルビーニ副首相は一歩もひかない姿勢を崩していません。サルビーニ副首相に至ってはEU当局者が予算を批判したために債券利回りが上昇したとして、EUに調達コスト上昇の損害賠償を求める可能性すら示唆する本末転倒ぶり。
このような情勢に今月、同国の構造改革に懐疑的なムーディーズやS&Pによるイタリアソブリン格付け見直しが予想されており、格下げが行われた場合、タイミングによっては為替市場への影響も無視できず、波乱含みです。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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