<< 東京市場の動き >>
28日の東京市場は、ドルが小じっかり。この日も、レンジは30ポイント程度と決して広くはなかったが、一時113.60-65円まで値を上げ、連日で年初来高値を更新する局面も観測されていた。
ドル/円相場は、113.35-40円で寄り付いたのち、しばらくは揉み合い。上値も重そうな雰囲気だったが、抵抗となっていた113円半ばを抜けると113.60-65円の日中高値を記録している。日経平均株価がザラ場ベースで400円を超える上昇をたどったことなどが好感されていたという。ただ、イケイケドンドンでドル高が進むこともなく、大局的にはドル強保ち合いのまま時間が過ぎた。16時時点では、寄り付きに近い113.40-45円で推移、欧米時間を迎えている。
そうしたなかトルコリラがなかなか荒っぽい値動き。寄り付き後は買いが先行すると、対円では8月17日以来の19円台を回復した。しかし、終盤には一転して売りが進むと「行って来い」の様相に。
一方、材料的に注視されていたものは、「北朝鮮情勢」について。
米国務長官から「北の非核化が実現するまで厳格な制裁履行が必要」との発言が聞かれるなか、一部メディアによる「北外相がNYで活発外交、日米に加え密かに中国とも会談」、朝鮮中央通信「北外相が外相会議で演説、昨年から一変し穏やかな内容に」−−などといった報道が観測されていた。
そのほか単発的な要因として、性的暴行問題が取り沙汰されている米最高裁判事候補カバノー氏の指名承認採決が28日に実施される見込みとなったこと、イタリア財政問題への懸念の浮上なども一部で話題を集めていたという。
<< 欧米市場の見通し >>
昨日は、7月高値113.17円レベルで上げ渋っている感が見られたことで、「ダブルトップ示現」などドル続伸を懸念したレポートを提供したが、どうやら杞憂に終わったようだ。その後の欧米そして本日の東京時間にドルはさらなる上値を試す展開となっている。リスクはドル高方向で、さらなる上値トライには注意を払いたい。なお、そんなドルの次の上値メドは昨年12月高値の113.75円レベル、そして同11月の114.74円などとなる。いよいよ114円台乗せも現実のものになりつつあるようだ。
前日に総崩れとなった米株や、東京時間の日経平均株価も下落は一時的でスグに持ち直しに動いており、これもドル買いに安心感を与えていることは否めない。米中そして日米を中心とした貿易戦争懸念の高まりは潜在的なリスク要因として警戒しておきたいところだが、米株が本気で崩れない限り、ドル高基調そのものは続く可能性がある。
テクニカルに見た場合、ドルは年初来高値(113.38円)の更新に続き、本日の東京時間には113.60-65円まで値を上げてきた。昨年12月高値の113.75円レベルが次の抵抗で、抜ければ、次のターゲットはいよいよ114円となる。さらなる台替わりも否定出来ないようだ。
なお、以前報じたように、17日付の日経新聞は年間変動率の観点から「今年は過去最小変動」にとどまる可能性を懸念していたが、ここにきて年初来高値を抜けたとはいえ、実はまだ「過去最小変動」の域にある。強気派のなかには、時間をかけつつもさらなるドル高進行を見込む声が少なくない。
一方、材料的に見た場合、8月のPCEデフレータや、9月のミシガン大消費者信頼感指数など幾つかの米経済指標が発表されるほか、ウィリアムズNY連銀総裁らの講演が見込まれているなど、注目要因が相次ぐ。
対して、日米通商協議や日米首脳会談などを終えたことで、米貿易関係の要因については目先小康か。ただ、「米朝首脳会談」を中心とした北朝鮮ファクターや、日替わりで材料が噴出する欧州情勢などには一応要注意。
ドル円日脚足
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、113.10-114.00円。ドル高・円安方向は、本日東京時間に記録した高値の113.60-65円の攻防がまずは注視されており、抜ければ114円台乗せが現実味を増してくる。
対するドル安・円高方向は、東京安値の113.30-35円などに弱いサポートが位置しており、最初の下値メド。下回ると、今週初めに記録した安値113円割れが視界内に捉えられるが大崩れは予想しにくいだろう。
オーダー/ポジション状況
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