ドル円7月天井破りから昨年11月天井挑戦へ(10月第1週)

日経平均が9月18日に325.87円高の大幅上昇で5月高値を突破、5月からの4か月近い持ち合いを上放れして1月天井に迫り、

ドル円7月天井破りから昨年11月天井挑戦へ(10月第1週)

ドル円見通し 7月天井破りから昨年11月天井挑戦へ

【概況・ポイント】

9月27日未明の米連銀FOMCにおいて今年3度目の利上げ決定と2021年までの金利水準見通しが示された。発表後に113.13円を付けて7月19日高値113.15円に迫ったが超えられずに27日午後には112.55円まで下げた。しかしその後はリスクオン心理優勢となり、またイタリア財政問題等の懸念でユーロが急落したためにドル高感がぶり返して27日未明高値及び7月19日高値を突破、113円台後半へ進んだ。
日経平均が9月18日に325.87円高の大幅上昇で5月高値を突破、5月からの4か月近い持ち合いを上放れして1月天井に迫り、さらに9月28日には24286.10円まで続伸して1月天井も超えたことがドル円にとってもリスクオン的な上昇をサポートしたといえる。また9月26日の日米首脳会談を前後する日米通商協議においても対米貿易黒字削減要求は厳しい内容だったと推察されるものの円安に対するけん制が見られなかったこともドル円にはプラスに働いたようだ。

8月後半からは米長期金利が上昇しており、10年債利回りが3%を超えた状況を維持していることも日米長期金利差によるドル買い円売り要因となっているようだ。
米中貿易戦争に対する先行き懸念については継続しているものの、上海総合株価指数は9月18日に年初来安値を更新した後は反騰しており、ドル人民元も抑制が効いて落ち着いた持ち合いの範囲にあるため、貿易戦争問題の先行き不安よりも目先のリスクオンで高値試しという市場心理が優勢となっている印象だ。

10月5日には米雇用統計、米貿易収支の発表もあるので米連銀の利上げ姿勢、米中及び日米の通商摩擦問題が焦点化する可能性や現在の上昇トレンドにブレーキがかかる可能性もある。トランプ大統領は中国批判姿勢を強めており、今のところは発動へ具体的に進んでいない中国製品すべてへの制裁関税拡大問題もぶり返す可能性がある。相場は万人総強気の中で天井を付けるものであり、ダブル天井破りから一段高したり、日経平均が1月天井を破って青天井感が強まる状況というのも、総強気状態ともいえるので、基調転換に備えておくことも大事だろう。

【上値目途と日柄】

7月19日高値を上抜いたことにより3月26日底からの上昇は5月21日高値までを一段目、7月19日高値までを二段目とし、8月21日安値から現在までが三段上げの三段目と発展した。
8月29日高値から下落した段階では昨年11月6日天井と昨年12月12日戻り高値との関係の様に今回も高値更新失敗で円高期に入る可能性があったが、9月7日安値から反発したことにより、8月21日安値を頭、7月26日安値と9月7日安値を両肩とした逆三尊の目が発生した。8月29日高値を超えた段階からは7月19日高値とダブル天井で終わるか、ダブル天井破りから三段上げ発展へ進むのかの二択となったが、結果はダブル天井破りによる三段上げ発展型となった。

チャート上の節目となる抵抗線は昨年11月6日高値114.72円まで切り上がった印象だが、一目均衡表流の上値計算値を考えると、5月29日から7月19日への上昇並みとすればN=114.81円であり、昨年11月高値とほぼ同レベルへ進むという印象だ。もう一つの上値計算値である下げ幅の倍返しとすれば8月21日への下げ幅を7月19日高値に加算したV=116.53円まで上値目途が跳ね上がることも考えられる。仮に114円台で決着がつかない場合には116円台中盤まで進む可能性も念頭に入れておく必要がありそうだ。

上昇期間としては今年3月26日底から5月21日高値への上昇が日足で数え41本、5月29日安値から7月19日高値までが同33本だった。昨年9月6日底から11月6日天井までの上昇が同42本。また今年5月21日高値から7月19日高値までが同44本、昨年4月17日底から6月14日底までの間が同43本であった。これらを踏まえるとまず5月29日から7月19日への上昇時並みとして33本目となる10月4日前後が基調転換しやすい時間帯として注意されるが、10月5日の米雇用統計を強気で通過して第2週へ上昇継続となる場合は42本前後となる10月17日前後まで上昇期が伸びる可能性を考える必要が出てくると思われる。
因みに2016年12月天井への上昇は同年6月のブレクジット騒動での安値から26週目だったが、今回も3月26日安値からの上昇が27週を経過したところである。

【強弱目安】

【強弱目安】

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、113.35円を支持線、114.00円を抵抗線とみておく。
(2)113.35円を上回るか、一時的に割り込んでも切り返すうちは上昇余地ありとして114円試しへの上昇を継続しやすいとみる。114円到達ではいったん利食い先行から反落しやすいとみるが、114円台を維持し始める場合は昨年11月6日高値114.72円から115円手前にかけてのゾーンまで上値目途を引き上げる。ただしさらに一段高へ進むには米雇用統計を強気で通過する必要があると思う。
(3)113.35円割れから続落の場合は弱気転換注意として113円試しとし、113円割れからはいったん調整安入りとして27日午後安値112.55円試しへ向かうとみる。ただし112円台後半は押し目買いされやすいとみて113円台回復からは上昇再開の可能性ありとする。また112.55円を割り込んでさらに一段安へ向かうには米雇用統計を弱気で通過する必要があると思われる。(了)<30日18:40執筆>

【当面の主な予定】

10/1(月)
休 場 (豪) レーバーデイ(株式市場通常、銀行休業)
休 場 (中) 国慶節
休 場 (香) 国慶節
08:50 (日) 7-9月期 日銀短観・大企業製造業業況判断 (前期 21、予想 22)
08:50 (日) 7-9月期 日銀短観・大企業製造業先行き (前期 21、予想 19)
08:50 (日) 7-9月期 日銀短観・大企業全産業設備投資前年度比 (前期 13.6%、予想 14.2%)
16:55 (独) 9月 製造業PMI、改定値 (速報 53.7、予想 53.7)
17:00 (欧) 9月 製造業PMI、改定値 (速報 53.3、予想 53.3)
17:30 (英) 9月 製造業PMI (8月 52.8、予想 52.4)
18:00 (欧) 8月 失業率 (7月 8.2%、予想 8.2%)
22:02 (米) ボスティック・アトランタ連銀総裁、討論会参加
23:00 (米) 8月 建設支出 前月比 (7月 0.1%、予想 0.4%)
23:00 (米) 9月 ISM製造業景況指数 (8月 61.3、予想 60.5)
24:00 (米) カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁、発言
25:15 (米) ローゼングレン・ボストン連銀総裁、講演

10/2(火)
休 場 (中) 国慶節
休 場 (印) マハトマガンジー生誕日
08:50 (日) 9月 マネタリーベース 前年同月比 (8月 6.9%)
13:30 (豪) 豪準備銀行(RBA)、政策金利発表 (現行 1.50%、予想 1.50%)
18:00 (欧) 8月 生産者物価指数 前月比 (7月 0.4%、予想 0.2%) 
18:00 (欧) 8月 生産者物価指数 前年同月比 (7月 4.0%、予想 3.8%)
23:00 (米) クオールズFRB副議長、上院銀行委員会証言
25:00 (米) パウエルFRB議長、講演
25:00 (米) バーキン・リッチモンド連銀総裁、講演

10/3(水)
休 場 (中) 国慶節
10:30 (豪) 8月 住宅建設許可件数 前月比 (7月 -5.2%、予想 1.0%)
16:55 (独) 9月 サービス業PMI、改定値 (速報 56.5、予想 56.5)
17:00 (欧) 9月 サービス業PMI、改定値 (速報 54.7、予想 54.7)
17:30 (英) 9月 サービスPMI (8月 54.3、予想 54.0)
18:00 (欧) 8月 小売売上高 前月比 (7月 -0.2%、予想 0.2%)
18:00 (欧) 8月 小売売上高 前年同月比 (7月 1.1%、予想 1.7%)
19:30 (米) エバンス・シカゴ連銀総裁、講演(ロンドン)
21:05 (米) バーキン・リッチモンド連銀総裁、講演
21:15 (米) 9月 ADP非農業部門就業者数 前月比 (8月 16.3万人、予想 18.5万人)
23:00 (米) 9月 ISM非製造業景況指数 (8月 58.5、予想 58.0)
27:00 (米) ブレイナードFRB理事、講演
27:15 (米) メスター・クリーブランド連銀総裁、講演
29:00 (米) パウエルFRB議長、講演

10/4(木)
休 場 (中) 国慶節
09:00 (米) カプラン・ダラス連銀総裁、カンザス大主催のイベントで講義
10:30 (豪) 8月 貿易収支 (7月 15.51億豪ドル、予想 14.50億豪ドル)
15:00 (米) ラガルドIMF専務理事、記者会見[東京]
21:30 (米) 週間新規失業保険申請件数 (前週 21.4万件、予想 21.1万件)
22:15 (米) クオールズFRB副議長、講演
23:00 (米) 8月 製造業新規受注 前月比 (7月 -0.8%、予想 1.9%)
25:00 (欧) クーレECB理事、講演

10/5(金)
休 場 (中) 国慶節
08:30 (日) 8月 全世帯消費支出 前年同月比 (7月 0.1%、予想 0.1%)
10:30 (豪) 8月 小売売上高 前月比 (7月 0.0%、予想 0.3%)
14:00 (日) 8月 景気先行指数(CI)・速報値 (7月 103.9、予想 104.2)
15:00 (独) 8月 生産者物価指数 前月比 (7月 0.2%、予想 0.1%)
15:00 (独) 8月 製造業新規受注 前月比 (7月 -0.9%、予想 0.8%)
21:30 (米) 8月 貿易収支 (7月 -501億ドル、予想 -524億ドル)
21:30 (米) 9月 非農業部門就業者数 前月比 (8月 20.1万人、予想 18.5万人)
21:30 (米) 9月 失業率 (8月 3.9%、予想 3.8%)
21:30 (米) 9月 平均時給 前月比 (8月 0.4%、予想 0.3%)
21:30 (米) 9月 平均時給 前年同月比 (8月 2.9%、予想 2.8%)
25:40 (米) ボスティック・アトランタ連銀総裁、講演
27:00 (墨) メキシコ中銀、政策金利 (現行 7.75%、予想 7.75%)

10/8(月)
休 場 (米) コロンブスデー(政府機関休業、為替・債券市場休場、株式・商品は通常通り)
休 場 (加) 感謝祭

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