<< 東京市場の動き >>
27日の東京市場は、ドルが小安い。レンジそのものは30ポイント程度と決して広くはなかったが、前日には回復する局面も観測された113円に一度も到達しないなど、ドルの頭の重さが目に付いた。
ドル/円相場は、112.70円前後で寄り付いたのち、当初はドルがじり高推移。112.90円レベルまで値を上げたが、続かずにその後は逆にじり安となった。結局、狭いレンジ内での「行って来い」となり、112.60円レベルまで値を下げると、16時時点では112.65-70円で推移し欧米時間を迎えている。
なお、そうしたなかユーロやポンドが弱含み。とくにユーロ/円は東京時間だけで1円ほども値を下げる局面が観測されていた。途中報じられた「イタリア政府が19年予算案めぐる会合延期の可能性」とのニュースなどが嫌気されていたという。
一方、材料的に注視されていたものは、「米貿易ファクター」と「北朝鮮情勢」について。
前者は、日米について、米通商代表部代表「日本と完全なFTAを目指す」、茂木経財相「交渉中は自動車に制裁関税を課されることはないと理解」といった発言が聞かれるなか、NAFTAについては米紙WSJが「カナダ抜きのNAFTA改定案、28日公表へ」と報じていた。
対して後者は、韓国大統領「北朝鮮の非核化の意思は固い、国際社会も後押しを」、米国務長官「次回米朝首脳会談は中間選挙後の可能性」、米大統領「北の非核化、期限にこだわらない」−−との発言が聞かれたほか、「米朝外相が会談実施、次回米朝首脳会談を協議した」との報道も観測されている。
<< 欧米市場の見通し >>
正直言って先行きを見通しにくい。昨日のNYで一時113.14円まで値を上げ、7月高値の113.17円に面合わせ、年初来高値の113.38円更新も時間の問題と思わせながら、そののちドルは反落に転じている。大きな流れは、引き続きドル高方向ながら、チャート的にはダブルトップを示現したように見えることなどは気掛かりだ。ドルの強気派にとっては、これまでのトレンドを維持するためにも、出来るだけ早く113円台を回復してほしいところだろう。
材料的に見た場合、米中そして日米を中心とした貿易戦争懸念の高まりが依然として指摘されているなか、昨日のNYは米株が終盤にかけて総崩れ。また、続く本日東京時間の日経平均株価も終値ベースで200円以上下落している。日米ともに危機的状況に陥っているわけではないが、株価の動きに若干の風向きの変化がうかがえるだけに、本日も米金融市場の動きには注意を払いたい。
テクニカルに見た場合、昨日の東京時間には7月19日以来となる113円台を回復する局面も見られたものの、ドル高は続かず。本稿執筆時では112.70円前後での推移となっている。そんなドル/円の日足は、昨日懸念したように「チャートがダブルトップの形状」を示しており、わずかながらドル弱気派が勢いを得つつあるようだ。
ちなみに、ドルの次の下値メドは一目均衡表の転換線が位置する112.40円レベル、そして112円、移動平均の25日線などが位置する111.75円前後などとなる。
一方、材料的に見た場合、8月の耐久財受注速報や、4-6月期のGDP統計確報など幾つかの米経済指標が発表されるほか、米財務省による7年債の入札、カプラン・ダラス連銀総裁の講演、パウエルFRB議長による上院関連イベントでの発言−−など注目材料が目白押しだ。
対して、火種は依然としてくすぶり続けているものの、日米通商協議や日米首脳会談など注目されたイベントも終えたことで、米貿易関係の要因については目先一息つくことになるかもしれない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、112.10-113.00円。ドル高・円安方向は、本日東京時間の高値である112.90円レベルの攻防がまずは注視されており、抜ければ7月高値も近い113.14円などとなる。
対するドル安・円高方向は、弱いサポートが位置する112.60円レベルが最初の下値メド。下回ると、今週初めに記録した安値112.27円レベル、そして112円前後などがターゲットに。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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