ドル円リスクはドル高、ただ目先は揉み合いも(9/20夕)

前日まで観測されていたドルが直近高値を更新するような展開は見られなかったが、一方で112円を割り込むこともなく、底堅いイメージも。

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ドル円リスクはドル高、ただ目先は揉み合いも(9/20夕)

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20日の東京市場は、ドルが小安い。前日まで観測されていたドルが直近高値を更新するような展開は見られなかったが、一方で112円を割り込むこともなく、底堅いイメージも。

ドル/円相場は112.25円レベルで寄り付いたのち、日中高値である112.35円レベルを示現したが買いは続かなかった。高値記録後、緩やかな下降をたどると112.05-10円までドルは軟落している。しかし下値も堅く、その後は112.05-35円といったレンジ取引に。16時時点でも、そのまま112.15-20円で推移し、欧米時間を迎えていた。
なお、仮想通貨は東京時間だけに限れば小じっかり。ビットコインは6400ドル挟みの一進一退に終始している。仮想通貨交換業者のテックビューロが、運営する取引所Zaifについて「ハッキングの被害を受け、約67億円相当が消失した」と発表したものの、それほど大きな影響はみられなかったようだ。

一方、材料的に注視されていたものは、「北朝鮮情勢」と「自民党総裁選」について。
前者は、前日に南北間で締結された「平壌宣言」について米国やロシアなどが「好感」の姿勢を示すなか、「米国務長官、『北外相と来週会談』を北側に打診」、「韓国大統領が北委員長とともに、北の聖山とされる白頭山へ」−−などといったさらなる融和をうかがわせるニュースも観測されていた。
対して後者は、注目の自民党総裁選が実施され、予想通り安倍首相の3選となったが、敗れた石破氏が「地方票で4割超の181票を獲得」するなど大善戦している。なお、この件と絡め毎日新聞の朝刊は「安倍首相の3選固い、麻生財務相・菅官房長官らは続投へ」と内閣人事について報じていた。

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リスクという意味ではドル高方向にバイアスがかかり、多少長い目で見た場合には7月高値の113.17円も薄らとではあるが視界内に捉えられている感を否めない。しかし、目先的にはやや悩ましい状況になりつつあるようで、一部からは「ヒョッとすると再びレンジ取引に入る」などとした声も聞かれ始めている。111-113円といった新レンジを形成し、そのなかでの一進一退をたどる可能性も否定出来ない。
材料的に見た場合、米中そして日米を中心とした貿易戦争懸念の高まりが、引き続き気掛かり。昨日もレポートしたように、日米株価の動きを見ると、マーケットはそれほど問題視していないようだが、とは言え明日21日に日米貿易協議の第2回会合が開催される(*注;一部報道によると、「調整がつかず24日以降にズレ込む」との見方も)ほか、日米首脳会談も目前に迫ってきた。それら米貿易ファクターが、一時的な円ショートの巻き戻し要因として使われる展開にも注意を払いたい。

テクニカルに見た場合、フィボナッチを参考にしたドルの抵抗である112.35-40円をドルはしっかりと超えられず。ドル高リスクが高いなか、まずは引き続き同レベルの攻防に注目だ。抜ければ113円台回復もみえてくる。その場合には、7月高値の113.17円あるいは年初来高値113.38円などがターゲットに。

一方、材料的に見た場合、8月の中古住宅販売件数や9月のフィラデルフィア連銀景況指数といった幾つかの米経済指標が発表される予定となっている。
また、先でも取り上げた米貿易問題に絡む動きや、昨日もレポートしたEUの非公式首脳会談(19-20日)など政治ファクターには要注意。ちなみに、後者は初日の討議について、「英とEUが離脱交渉で互いに譲歩を要求、溝の深さを印象づけた」(時事通信)といった状態のようだ。交渉決裂という可能性もゼロではない気がしている。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、111.70-112.70円。ドル高・円安方向は、フィボナッチで見たテクニカルポイントにも近い昨日高値112.45円の攻防にまず注視。しっかり超えれば113円台に接近、7月高値や年初高値も視界内に捉えられそうだ。
対するドル安・円高方向は、本日東京時間安値である112.05-10円が最初のサポート。割り込むと昨日安値の111.66円や一目均衡表の転換線が位置する111.40円などがターゲットとなろうが、いずれにしても底堅いイメージだ。

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