<< 東京市場の動き >>
18日の東京市場は、ドル高・円安。夕方にかけてとくに上値を伸ばすと112.17円の直近高値を更新するなど、ドルの強さが目に付いた。
ドル/円相場は111.85円前後で寄り付いたのち、当初はドルが冴えない。111.65-70円までドルはじり安に推移している。しかし、日中安値を示現後切り返すと、ドルは逆行高に。日経平均株価が終値ベースで325円高となったことなどが好感されていたという。
夕方には上げ幅をさらに拡大すると、ストップロスを断続的に巻き込みつつ、一気に112.25-30円まで上昇した。16時段階でも、そのままドルは日中最高値圏を維持、欧米時間を迎えている。
なお、円は対ドル(ドル/円)だけでなく、対ユーロやポンドなどでも独歩安。ユーロ/円やポンド/円、豪ドル/円などは東京時間だけで、それぞれ1円を超える上昇をみせた。
一方、材料的に注視されていたものは、中国を中心とした「米貿易問題」と、「北朝鮮情勢」について。
前者は、「米政府、2000億ドル分の中国製品への関税を24日発動」といった発表がなされるなか、共同通信は「中国、米へ6兆円規模の報復か」と報じ、全面戦争懸念も取り沙汰されていた。
対して後者は、18-20日の日程で実施される南北朝鮮首脳会談に向けたニュースが数多く観測されている。そのなかで、やや興味深かったのは、「韓国の文大統領が平壌に向かうおよそ3時間前まで、ポンペイオ国務長官が、康韓国外相と2日連続で電話会談し、北韓問題について議論した」とした米国務省の発表か。しっかりとクギを刺すことを忘れていないようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は、本日の東京時間夕方に直近高値を更新してきた。昨日のNYでは更新できず、ドル上値トライが失敗に終わったとのイメージを抱いていただけに、正直思わぬタイミングでのドル高進行になる。112.35-40円がフィボナッチから見たテクニカルポイントに当たるものの、7月高値の113.17円が薄らとではあるが視界内に捉えられた感も否めない。
材料的に見た場合、米中そして日米を中心とした貿易戦争懸念の高まりが、やはり気掛かりではある。しかし、先週末から本日に至るまで、日米中などの株価は総じて堅調。つまり、巷間取り沙汰されるほど、マーケットは米貿易戦争懸念をさほど問題視していないのかもしれない。もちろん、今後の動静次第だが、米国を中心とした株価が崩れない限り、ドル高傾向はまだしばらく続く可能性がある。
テクニカルに見た場合、先週末高値112.17円を本日東京時間に更新するなど、早くもドル高が再燃した感がある。そんなドルの次の上値メドは、フィボナッチを参考にした112.35-40円で、それを超えると名実ともに113円台回復、7月高値の113.17円などがターゲットとなろう。
なお、昨日の日経新聞が報じていたように、「年初来のドル/円相場の変動幅は9円を下回る低水準。年間の変動幅が、1973年(為替が変動相場制に移った年)以降で最小となる可能性が徐々に意識され始めている」−−といった若干の諦めムードも指摘されていたが、本日の動きを受け、年末に向けたドル続伸期待もジワリと高まりつつあるようだ。
一方、材料的に見た場合、9月のNAHB住宅市場指数や7月の対米証券投資などの米経済指標が発表される予定となっている。ちなみに、先週末に発表された9月分の米経済指標は予想より良かったものの、昨日発表された同NY連銀景況指数は逆に予想より悪い数字だった。最新9月のデータは、内容的にここまでマチマチで、それもあり本日の指標についても内容を注視している向きは少なくないようだ。
また、米中をはじめ日米などについても、貿易協議の行方には引き続き注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、111.40-112.40円。ドル高・円安方向は、本日東京時間に記録した高値112.25-30円の攻防にまず注視。これは、フィボナッチで見たテクニカルポイント(112.35-40円)に近く、超えれば113円台回復も見えてくる。
対するドル安・円高方向は、本日東京時間安値である111.65円レベルが最初のサポートで、割り込んでも111円前半から110円後半にかけては一目や移動平均など見たテクニカルポイントは少なくない。引き続きかなり底堅いイメージだ。(了)
オーダー/ポジション状況
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