豪州中銀議事録(2018年9月18日公表9月4日開催分)
(出所:豪州中銀HPから)
今回の議事要旨も過去の内容と大差ありません。今回は米中貿易問題が前回より激化した点や中国経済に関し詳しい記述などを加えています。今回の訳もあまり言及していなかった点を中心にして、簡単に和訳しています。
以下は豪州中銀の金融政策の議事録要旨の一部抜粋をお送りします。
(議事録要旨)
(世界経済)
米国経済は更に拡大、ユーロは2018年上半期で少し緩んだが、それでも成長トレンド以上の伸び。日本経済の6月期は拡大した。中国・日本除くアジア地域はトレンド以上の伸びを示している。但し、企業投資は幾つかの国で鈍化している。これらの地域の消費は依然強い。
世界経済で貿易に関する緊張が一段と高まっている。特に米中2国間の関税問題は8月末、更に拡大した。一方で、米墨は新たな貿易協定を締結した。
中国に関して、経済活動の伸びは幾つかの部門で鈍化した。小売売上高の伸びは下がり、とりわけインフラ投資が弱かった。白もの製品や繊維を含む、消費関連商品の国内生産が減少した。委員達は幾つかの生産部門が中国から他の国に移転したことを確認した。対照的に、建設に使われる鉄鋼・ガラス等は増加した。
商品価格は前回会合以降、強弱混在している。鉄鉱石価格は下落し、石炭価格は上昇した。しかし、年初の高い水準からは下がっている。
(国内経済)
西オーストラリア地区の資源投資サイクルで下落していた状態からは改善した。この地区の企業状態報告からみると、以前よりは改善しているが、他の地区から見るとまだ低い。しかし、賃金の伸びは他の地区より高くなり、人口は他の地区より低いものの増加している。
豪州全体でみると、6月末期の成長は年末ベースの潜在成長力を越えると予想している。委員達は前回報告された見通しは上方修正されると見ている。
賃金は緩やかに伸びている。最近の最低賃金上げの効果で9月末期の賃金は上昇すると委員達は確認した。
{その他、住宅、企業投資、輸出などの訳は略します。}
{金融市場の訳は下記除き略します。}
為替市場において、米国ドルは他の主要市場に対してほとんど変わらなかった。貿易加重平均ベースで、年初より約5%米ドル高になっている。他の通貨の流れにそって、豪ドルは対米ドルで安くなった。しかし、過去数年間の狭いレンジ内で推移している。
また、金融市場の価格を見ると、キャッシュレート(中銀レート)は暫くの間、変更なしと予想しているようだ。
(金融政策)
最近の経済データを見ると、国内成長は6月末期に潜在成長を上回った。これは強い公共事業、資源輸出、非鉱山関連企業投資の拡大、堅調な消費により支えられている。企業状況は依然ポジティブであり、最近の労働市場データもポジティブである。失業率は5.3%まで下がり、これは鉱山開発ブームに沸いた2012年のピーク以降最も低い数値になっている。
労働需要の先行指標を見ると、雇用は平均以上の伸びが見込まれる。失業率は5%程度まで改善すると予想される。賃金は高い稼働率を埋めるべく徐々に上昇していくだろう。また、最近のデータはGDPの伸びが平均以上であり、インフレも恐らく上がっていく予想は変わっていない。しかし、委員達は海外からの不確実性や低い賃金の伸びに関するリスクが引き続きあることを確認した。
現状の環境や取り得るデータを勘案し、委員会は現状の金融スタンスを維持し、これにより持続的成長に繋げ、インフレを中銀目標値内に達成できると見ている。
委員会は現行のキャッシュレートを1.5%のまま据え置くことを決定した。
(要旨は以上)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
相場は今日の議事録ではほとんど材料視されていません。但し、日中の動きは米ドル安・円安の流れから、豪ドルやユーロなどが買われ、豪ドルは高値0.7221米ドルを付けて、0.7195〜0.7200米ドルまで小反落しています。シカゴポジション145内にある最初の抵抗線0.7230〜40米ドルに止められ、次の一手を模索中になっています。(2018年9月18日16時30分、1豪ドル=0.7200米ドル)
オーダー/ポジション状況
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