<< 東京市場の動き >>
週明け17日の東京市場は、膠着相場。「敬老の日」で東京が休場となったこともあってか動意は乏しく、終日を通したレンジも20ポイントほどにとどまった。
週末に、米紙WSJが「米大統領、17日にも対中関税発動を表明へ」と報じたことで、米中貿易戦争懸念の高まりからリスク回避の動きが警戒されていたものの、フタを開けたら影響は極めて限定的。ドル/円相場は、先週末のNYクローズに近い112円前後で寄り付きとなった。
その後も積極的な動意は見送られると、112円を挟み、トータル20ポイントほどのレンジ取引に。16時段階では112円前後と寄り付きレベルで推移、欧米時間を迎えている。
なお、そうしたなかトルコリラが終盤にかけて急落、対円では18円台から17円半ばまで値を下げる局面も観測されていた。
一方、材料的に注視されていたものは、中国を中心とした「米貿易問題」について。
前述したように、週末には米紙WSJが「米大統領、17日にも対中関税発動を表明へ」と報じるなか、そののち同じWSJが「中国副首相が訪米し、27-28日に閣僚級会合を開催予定」とされていたことについて、「米中通商協議は開かれない恐れ、中国が提案拒否を検討」とネガティブな内容を報じ物議を醸していたようだ。
また、米中とともに懸念されている日米貿易問題について、週末のテレビ番組で安倍首相は「トランプ氏が為替で日本を攻撃したことはない」と発言していたことが確認されている。
<< 欧米市場の見通し >>
今年の相場に多く見られる「ダマシ」だが、先週末に112.17円まで値を上げ、8月高値を一時更新するなど、今回ようやく呪縛から解き放たれた感がある。リスクという点では、もちろんドル高方向にバイアスがかかり、直近高値の112.18円をしっかりと超えていけば、7月高値の113.17円が視界内に捉えられそうだ。
しかし、実勢相場はというと、如何せん112円などを突破したのちのドル高進行が鈍く、再び様相が混沌としてきたようにもみえなくはない。ドルの高値トライもいったんは仕切り直しとなる可能性もある。これまでのボックス圏がやや上方修正された112円±50銭といった新レンジを形成、そのなかでの一進一退をたどる展開などにも一応要注意。
材料的にも、米中そして日米を中心とした貿易戦争懸念の高まりが、やはり気掛かり。先週末にかけては米株が堅調に推移したことで、貿易問題が不問にされた感があるものの、今週は果たしてどうか。仮に米株が崩れるようだと、為替市場もそれに合わせてドル安が進行しても不思議はないだろう。
テクニカルに見た場合、先週末にかけて一目均衡表の先行帯の雲の上限を上放れるなど、ドル高を示唆するシグナルが幾つか観測されている。そんなドルの上値メドは8月高値にも近い先週末高値の112.17円、あるいはフィボナッチを参考にした112.35-40円などとなりそうだ。そして、それらを超えた場合、名実ともに113円台回復、7月高値の113.17円がターゲットに。
一方、材料的に見た場合、9月のNY連銀製造業景況指数が発表される予定となっている。先週末にも9月のミシガン大学消費者信頼感指数速報が発表されたが、最新9月分のデータと言うことで内容を注視している向きは少なくないようだ。
それ以外では、やや材料に欠けるものの、一週間を通して米貿易問題への警戒は必要であり、また週内にトランプ米大統領が被災地を慰問する予定とされる大型ハリケーン「フローレンス」の被害状況などにも一応要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、111.60-112.40円。ドル高・円安方向は、先週末に記録した高値112.17円の攻防にまず注視。抜ければ112.35-40円がターゲットで、そのレベルも超えれば113円台回復が見えてくる。
対するドル安・円高方向は、111.75円レベル、111.60円前後などに弱いサポートが位置しているようだ。ただ、割り込んでも111前半から110円後半にかけては一目や移動平均など見たテクニカルポイントは少なくなく、かなり底堅いイメージ。(了)
オーダー/ポジション状況
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