<< 東京市場の動き >>
6日の東京市場は、ややドル安。一時111.10円台まで値を下げたが、そこからはさすがに買いも入ると寄り付き近くまで戻し、「行って来い」に近い値動きとなった。
ドル/円相場は、寄り付いた111.50円前後を日中高値にドルが冴えない。当初はそれでも、やや底堅かったが目先サポートを割り込むと、一気に111.15-20円まで値を崩した。しかし、目先ボトムを記録後は再びドルが買い進まれると111.40-45円まで値を戻し、16時段階では111.35-40円で推移、欧米時間を迎えている。
なお、本日未明に発生、最大震度7を記録した「北海道地震」の被害が徐々に明らかとなっていったが、金融市場への影響そのものは限定的だった。
それとは別に、昨日の欧米時間を含めて、仮想通貨が軒並み大荒れ。
代表格であるビットコインも、昨夜は7300ドル台後半で推移していたものが、2度の急落を経て、一時6300ドル台へ。ほかのイーサリアムやリップルなども大幅安となった。「米ゴールドマン・サックス・グループが仮想通貨取引デスク開設の計画を当面棚上げした」との一部報道が影響していたという。
一方、材料的に、注視されていたものは、「トランプファクター」と「北朝鮮情勢」について。
前者については、大統領みずからによる「中間選挙前の政府機関閉鎖はない」、「中国との通商協議、まだ合意できない」、「米加NAFTA再交渉は数日中に結論」といった発言が報じられたほか、「トランプ政権、米国防長官の交代説が浮上(のち、大統領自身が直接否定)」との報道や米紙NYタイムズが「米政権高官、匿名でトランプ氏を批判」と報じ、話題となっていた。
対して後者は、「(前日に訪朝した)韓国特使団が金北委員長と面会した」と報じられるなか、会談の成果として「9月18日に南北首脳会談を開催へ」、「金委員長、核実験は永遠に不可能と語る」−−などといった幾つかの報道も観測されている。
<< 欧米市場の見通し >>
もうこうなってくると、何と言ってよいのかよくわからない。昨日、筆者は「素直に考えればドルはさらなる上値トライが予想されよう。(中略)ただし、再三再四指摘している『ダマシ』の可能性はいまだ拭いきれない」−−とレポートしたが、まさに今回も再び『ダマシ』、少なくともドルの上値トライが仕切り直しとなった感を否めない。時間足など短期のチャートを見ると、8月末と今回、2度111.80円前後でレジストされていることから、同レベルが強い抵抗として意識されそうだ。
材料的には、トルコや英国など欧州情勢への関心はいまだ高いものの、米貿易ファクターへの警戒感も再び高まっている。具体的には、カナダのフリーランド外相が、米加NAFTA再交渉をめぐる2国間協議について、「(現地時間)5日夜も協議を続ける」と発言したうえ、米国が当初から「週内」と指摘している「対中制裁の第3弾」が早ければ6日に発動される公算が大きいためだ。後者については、当然中国サイドからの報復といったことも予想され、実施されれば為替市場的には円買いにバイアスも!?
テクニカルに見た場合、111円を挟み上下50ポイントほどで、ほぼ横ばい推移を続ける一目均衡表の先行帯の雲の上限突破を図るも失敗に終わった。本稿執筆段階では引き続き日足が雲の中に埋没しての推移となっている。
それを含め、過去2週間ほどは110.70-111.80円といった1円強のボックスを形成している感があり、方向性がハッキリしない。再三再四の指摘になるが、まずは足もとの1円強のレンジを上下どちらに、そして抜けていくことが出来るのか、その方向性を注視したい。
一方、材料的に見た場合、8月のADP雇用統計や同ISM非製造業総合指数といった重要な米経済指標の発表が予定されているほか、ウィリアムズNY連銀総裁をはじめ、要人の講演も少なくないようだ。
また、先でも指摘した対中などの「米貿易ファクター」に加え、裏庭と言われるアルゼンチン情勢など、米国を取り巻く周辺地域の動きにも注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.85-111.85円。ドル高・円安方向は、直近だけで2度トライして超えられなかった111.80円前後が最初の抵抗。抜ければ112円台乗せ、8月1日高値の112.15円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、移動平均の25日線近い111.10-20円に弱いサポートが散見されている。ただ、割り込んでも110円台後半には移動平均や一目均衡表をはじめとするサポートが集中しており底堅そう。(了)
オーダー/ポジション状況
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