一転してドル逆行高、下値トライ仕切り直し(8/14夕)

14日の東京市場は、ドル高・円安。日経平均株価の大幅上昇などに支えられ、夕方には111円台を回復し、そのままドル高値圏で大引けている。

一転してドル逆行高、下値トライ仕切り直し(8/14夕)

<< 東京市場の動き >>

14日の東京市場は、ドル高・円安。日経平均株価の大幅上昇などに支えられ、夕方には111円台を回復し、そのままドル高値圏で大引けている。

ドル/円相場は、110.65円前後で寄り付いたのち、しばらく揉み合い。110.60-80円といったレンジ取引となったが、前日に440円安と大幅安をたどった日経平均株価が逆行高。終値ベースで498円高と、前日の下げをすべて取り戻す大幅高となったことを好感し、徐々にドル買いが優勢に。また、時間外で取引されている米債の利回り上昇も、ドルの買い要因になっていたという。一時は日中高値である111.05-10円まで上昇、16時時点でもほぼ同レベルで推移し、欧米時間を迎えていた。
なお、本日早朝から仮想通貨が大荒れ。ビットコインが6000ドルの大台を割り込んだほか、リップルやイーサリアムなども大幅安をたどっている。新規仮想通貨公開(ICO)実施企業による換金をめぐる懸念が取り沙汰されており、弱材料になっていたという。

一方、材料的に、もっとも注視されていたものは、「トルコ問題」と「北朝鮮情勢」。
前者については、米国のハセットCEA委員長から「トランプ政権はトルコ情勢を非常に注意深く監視している」との発言が聞かれたほか、ロイターが「ボルトン米大統領補佐官、牧師拘束めぐりトルコ大使と協議」と報じ、思惑を呼んでいた。
対して後者は、朝鮮日報が「ポンペオ米国務長官が今月北朝鮮を訪問する可能性」と報じるなか、韓国の康外相が米国務長官と電話で会談し、13日に行われた南北閣僚級会談の結果を説明したことを明らかにしている。

<< 欧米市場の見通し >>

前日の東京時間には一時110円割れをうかがう様相を呈したものの、結局不発に終わると、そののち111円台までドルは1円程度の反発に転じている。昨日の当稿で、いみじくも「今年の相場の特徴は“ダマシ”が多い」と指摘したが、今回もまさに「ダマシ」が入った展開となった。まだ、ドルの下値リスクはくすぶっているとはいえ、取り敢えず一本調子の110円割れトライといった値動きは予想しにくく、一旦仕切り直しとなった感は否めない。
材料的には、米中そして日米を中心とした「貿易問題」や「トルコ問題」の関心が高いものの、これまでのような過度の警戒感はだいぶ和らぎ、足もとは落ち着きを取り戻しつつある。まだ警戒を完全に解くことは出来ないが、次なる進展をにらみつつ目先はポジションの巻き戻しが先行する展開を予想する声も少なくないようだ。

テクニカルに見た場合、昨日110円割れをトライするも失敗に終わると、その後ドルは急反発に転じてきた。一目均衡表的には、昨日ザラ場ベースで先行帯の雲の上限を一時割り込むもNYクローズでは回復しているだけでなく、本日も一目の雲の上限が強いサポートとなっている感がうかがえる。ちなみに、一目の雲の上限は本日110.45-50円に位置しており、このあともサポートとして寄与しそうだ。
そんなドルの抵抗は、月初高値112.15円を起点とした下げ幅の半値戻しに当たる111.15円レベル、フィボナッチ61.8%戻しの111.35-40円などとなる。

一方、材料的に見た場合、7月の輸出入物価指数など幾つかの米経済指標が発表されるものの、それほど注目度は高くなく、影響は基本限定的か。経済指標という意味では、4-6月期のユーロ圏GDP統計改定値など、欧州関係のものの方が関心は高い。
また、それ以外でも引き続き「トルコ問題」や「合意なきブレグジット(EU離脱)観測」のくすぶる英国情勢など、マーケットの主役は引き続き広義の欧州か。関連するニュースなどにも一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.50-111.70円。ドル高・円安方向は、本日の東京時間高値に合致するだけでなく、先週末にもドルの上値をキャップした111.20円レベルが最初の抵抗か。抜ければ111.35-40円、3日高値111.85円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日の東京時間安値である110.60円レベルの攻防にまずは注視。割り込んでも、スグ下の110.45-50円には一目の雲の上限が位置しており底堅い雰囲気だ。(了)

オーダー/ポジション状況

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