<< 東京市場の動き >>
27日の東京市場は、ややドル安・円高。しかし、終日を通したレンジは30ポイントほどに留まるなど限定的で、明確な方向性は示せなかった。
ドル/円相場は、111.20-25円で寄り付いたのち、ドルはじり安に推移。一時110円に突入するも底堅く下値を攻めきれず。ドルは反発に転じると111円台を回復し、その後は111円台前半を中心とした狭いレンジ取引に終始している。16時時点では110.95-00円で推移、欧米時間を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、本日も「米貿易問題」について。
ブラジルや中国など「BRICS」諸国が首脳会議を行い「包括的な多国間貿易システムの支持を表明」との宣言を採択したほか、出席した中国国家主席からは対米を意識したとされる「国際機関は結束して貿易保護主義と戦うべき」との発言が聞かれていた。また、メキシコ経済相から「8月末までのNAFTA改定合意を目指す」、ロス米商務長官による「車の輸入制限措置に関する報告は8月に提出」−−などといった発言も別途観測されている。
<< 欧米市場の見通し >>
昨日、「大局的に見てドル高基調のなかの調整局面に間違いはない」としたうえで、「問題は『価格調整』であるのか『時間調整』であるのかということ」とレポートした。執筆段階では「価格調整」となる可能性も取り沙汰され判断は難しかったが、その後の値動きをみるとやはり下値トライは失敗に終わり、「時間調整」の色彩が再び濃くなってきた。今週の形成レンジである110.55-111.55円、現在そのちょうど中間に位置していることもあり、基本的には短期のレンジ取引が続きそうだ。
材料的には、発表される米経済指標の内容に注意。とくに、4-6月の米GDP速報値への関心が高いものの、気になるのはトランプ米大統領発言との相関性について。ちなみに、事前予想値はプラス4.2%程度と、2014年以来の高成長が見込まれているが、昨日大統領が「4%台」ならびに「堅調な数字になる」との見通しを示し、再び物議を醸していた。仮に、予想通りの好数字となった場合、大統領の発言が再び問題視される可能性はないのだろうか?
テクニカルに見た場合、案の定というべきなのか、今週に入って以降形成していた110.75-111.55円を昨日下方向に一時放れたものの、結局レンジを若干広げただけにとどまった感を否めない。いずれにしても、引き続き形成しているレンジをどちらにしっかり抜けていくのか、その方向性に要注意。
なお、本日は週末ということで、週足の観点からひとつ指摘しておくと、本稿執筆時で推移している111円前後は、ザラ場ベースながら111.00-40円という一目均衡表の先行帯の雲が今週位置しているちょうど下限割れをうかがう様相となっていることがやや気掛かり。果たしてNYクローズで111円台を維持することが出来るのか注目だ。
一方、材料的に見た場合、4-6月期のGDP統計速報値や、7月ミシガン大学消費者信頼感指数確報などの米経済指標が発表されるほか、米企業決算発表も相次ぐ見込みだ。
そうしたなか、前述したように米GDPがとくに注視されているが、内情としては数値そのものより、今回が2度目となる「トランプ米大統領発言」のリーク問題を懸念する声なども聞かれている。為替市場には、原則として「インサイダー(取引)」という概念がないものの、個人的にはさすがに問題があるような気がしないでもない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.50-111.50円。ドル高・円安方向は、昨日のNYタイムに記録した111.25円レベルが最初の抵抗で、上抜ければ今週高値111.55円などターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日安値の110.58円の攻防にまず注視。割り込んでも底堅いイメージは残るが、移動平均の200日線や52週足など長期サポートが位置する110円前半に向けた続落は否定出来ない
オーダー/ポジション状況
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