時間調整か否か、ドルの下値は正念場(7/26夕)

111.05円の日中高値を示現するもドル買いは続かず。スグに流れは反転し、そのまま夕方にかけてドルはじり安推移をたどっている

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時間調整か否か、ドルの下値は正念場(7/26夕)

<< 東京市場の動き >>

26日の東京市場は、ドル安・円高。レンジそのものは、決して広くなかったが「早朝高・大引け安」の近い値動きで、円の強さが目に付いた。

ドル/円相場は、110.95円レベルで寄り付いた直後に、111.05円の日中高値を示現するもドル買いは続かず。スグに流れは反転し、そのまま夕方にかけてドルはじり安推移をたどっている。
大きく割り込んだわけではないものの、前日に記録した安値110.65円レベルを割り込んだあともドルは冴えず110.55-60円まで続落。16時時点では110.65-70円の日中安値圏で推移し、欧米時間を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「米貿易問題」と「北朝鮮情勢」について。
前者については、昨日実施された米欧首脳会談で、「貿易障壁縮小への取り組みで一致」したことを受け、米中や日米などほかの国・地域との貿易問題が改めてクローズアップされていた。そうしたなか、産経新聞「日米新通商協議、8月開催にズレ込み」、ワシントンポスト紙「トランプ氏、輸入車に25%の関税検討」、WTO事務局長「米中貿易戦争で激化なら、数百万人失業の恐れ」−−などといった報道や発言が観測されている。
対して後者は、ポンペオ米国務長官による「北朝鮮が核物質の生産を続けている」との発言のほか、聯合ニュースは「北朝鮮、国連大使を交代」と報じ、一部で話題となっていた。

<< 欧米市場の見通し >>

大局的に見た場合、「ドル高基調のなかの調整局面」に間違いはないものの、問題は「価格調整」であるのか「時間調整」であるのかということ。昨日レポートしたように、基本的には「時間調整」の色合いが濃く、111円台を中心とした揉み合いがしばらく続く可能性も指摘されたが、本日の東京時間にレンジの下限をわずかながら更新するなど、「価格調整」の傾向をうかがわせていることは気に掛かる。なお、テクニカルには、5月末安値の108.11円を起点とした上げ幅の半値押しにあたる110.65円レベルを、一時的とはいえ割り込んでおり、続落も否定できない。
材料的には、注目されていた「米欧首脳会談」を無事にこなしたことで、マーケットはECB理事会と総裁会見、そして米ファンダメンタルズへと関心が移行している。また、米貿易問題に関しては本丸である米中を中心にまだまだ難しい協議が続きそうだ。引き続き米大統領の発言などには注意を払いたい。

テクニカルに見た場合、今週に入って以降形成していた110.75-111.55円を下方向に放れたが勢いはなし。現在までのところ、「レンジを20ポイントほど下方修正したに過ぎない」−−状況だ。つまり、形成レンジを下放れたとはまだ言えそうになく、110.50-111.50円などといった新たなボックス圏を今後構築する可能性も否定できないだろう。
ただ、フィボナッチの観点でいえば、5月末安値の108.11円を起点とした上げ幅の半値押しにあたる110.65円レベルを、一時的とはいえ割り込んできた。次のターゲットは同61.8%押しに当たる110.05円で、続落の動きも懸念されている。

一方、材料的に見た場合、6月の耐久財受注速報や7月のカンザスシティ連銀製造業活動指数などの米経済指標が発表されるほか、注目の米企業決算発表も少なくない。まずは、それらに要注意。
ただ、本日に限ればECB理事会と総裁会見など、欧州情勢により注意が必要か。依然としてユーロ/ドルを中心に動意が極めて鈍いだけに、それが大きな反応を示すなら、ドル/円への波及的な影響も。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.20-111.20円。ドル高・円安方向は、しっかりと回復することが出来ていない111円ちょうどが最初の抵抗で、上抜ければ前回高値111.55円ターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日の東京安値の110.55-60円の攻防にまず注視。割り込んでも底堅いイメージは残るが、移動平均の200日線などが位置する110円前半に向けた続落は否定出来ない。(

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