<< 東京市場の動き >>
週明け23日の東京市場は、ドル安・円高。先週末には下値を維持した111円を割り込み、一時110.75円レベルへと続落、値を下げる局面も観測されていた。
週末にG20財務相・中銀総裁会議が開催され、「貿易摩擦激化で世界経済のリスク増大」との声明が発表されている。米国の貿易問題が話題になっていたようだが、為替市場への影響は限定的で、ドル/円は前週末比でやや円高となる111.35円レベルでの寄り付きとなった。しかし、日経平均株価が一時300円を超える下げ幅を記録したことなどを嫌気し円はさらに買い進まれると、ドル/円は111円割れ。日中安値である110.75円レベルまで下落したのち、16時時点でも111.00-05円の安値圏で推移、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、週末に実施された「G20財務相・中銀総裁会議」に関する話と、「トランプ米大統領」に絡む幾つかの話題について。
前者については、終了後にムニューシン米財務長官から「貿易問題で孤立しているとは思わない」、ラガルドIMF専務理事による「貿易摩擦は国際協調で解消すべき」との発言が聞かれていた。対して後者は、WP紙が「北朝鮮との交渉が進展していないことに関し、トランプ大統領が最近、苛立ちを示し始めた」と報道、CNBCは大統領自身がインタビューで「米露首脳会談は常に融和的でなかった」と発言したと報道、それとは別に「米大統領、イラン大統領に対し米国を二度と脅かさぬよう警告」したとのニュースも観測されている。
<< 欧米市場の見通し >>
一連のドル上昇が始まった起点が5月末108.12円だったとすれば、直近高値までの上昇はおよそ5円、そこから現在までにおおよそ半値程度の押しが入っている計算になる(フィボナッチ的にしっかりと計算すれば、半値押しは110.75円レベル)。したがって、まだギリギリ調整の範囲内で、大きな流れで見た場合のドル高基調は継続しているもようだ。とは言え、ドルの上値がかなり重くなってきた感を否めず、113円は当然、112円レベルもなかなか遠い存在になりつつあるイメージではある。
材料的には、先週だけで少なくとも2度聞かれたトランプ米大統領のドル高牽制発言が依然として警戒されているものの、そののち財務長官や米行政管理予算局(OMB)局長らが相次ぎ火消しに動いており、取り敢えず小康を取り戻しつつある感も。前述したように、ドルの上値は重いものの、さらなる下値をトライするにはいま一段の材料が必要という気がしないでもない。
テクニカルに見た場合、大きな流れはまだドル高にバイアスがかかると思われるが、足もとは完全に調整局面。そんなドルの下値メドは、5月末108.12円を起点とした上昇に対する半値押し110.75円レベルか。
なお、それとは別に、週足の視点では先週末段階では維持していた一目均衡表の先行帯の雲(111.00-40円レベル)割れをうかがう様相を呈している。飽くまでもザラ場ベースの話ではあるが、やや気になる動きだろう。週末NYクローズベースで維持できるのか否かが引き続き注視されている。
一方、材料的に見た場合、6月のシカゴ連銀全米活動指数や、同中古住宅販売件数といった米経済指標の発表が発表されるほか、アルファベット(グーグルの持ち株会社)による決算発表などが見込まれており、それらは一応要注意。
また、アジア情勢については、北朝鮮に関する動きとともに、日銀の動きを警戒する声がジワリと高まりつつあるようだ。意外にも、目先の波乱要因となりかねないとの指摘も聞かれるなど、このあとも動静には注意を払いたい。
(USD/JPY 週足)
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.50-111.70円。ドル高・円安方向は、本日の東京高値111.50円レベルが最初の抵抗で、上抜ければ112円レベルがターゲットに。ただ、いずれにしてもドルの上値は重そうな雰囲気。
対するドル安・円高方向は、週足の指標だが、一目均衡表の先行帯の雲が位置する111.00-40円レベルの攻防を注視。しっかりと割り込むようだと、ドルの上値トライがダマシだった可能性も否定できなくなる。フィボナッチの観点では110.75円レベルが次のドルのサポートに。
オーダー/ポジション状況
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