<< 東京市場の動き >>
14日の東京市場は、これまでと一転してドル安・円高。前日のNY時間に110.85円まで値を上げたものの、そこからじり安。東京終盤には一時110円を割り込む局面も観測されていた。
ドル/円市場は、寄り付いた110.30-35円を日中高値に緩やかな右肩下がり。値幅そのものは40ポイント程度と決して大きくはなかったが、「寄り付き高・大引け安」に近い値動きでドルの弱さが目に付いた。
終盤にかけては一時110円を割り込み、16時時点でも、110.00-05円の日中安値圏で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、再び「北朝鮮情勢」。ポンペオ米国務長官から「トランプ氏任期内の非核化を目指す」との発言が聞かれるなか、読売新聞「日朝両政府、首脳会談実現へ水面下で交渉」、産経新聞「北委員長、『安倍首相と会ってもよい』と米大統領に伝達」−−などと報じられ、日朝交渉の機運が急浮上してきた感を否めない。
そのほか、「米大統領、対中追加関税発動めぐり通商顧問と14日協議」、米CBS「サンダース、シャー両報道官が辞任を計画」との報道も観測されており、ともに一部で話題に。
<< 欧米市場の見通し >>
昨日、注目の米FOMC声明が発表され、予想よりもタカ派的な内容で一時ドル買いが進行したものの、終わってみれば行って来い。ドル高は続かなかった。その流れを継続したまま、現在に至っており、足もとのドルはやや冴えない状況だ。ただでさえ、短期的にはポジションの偏りも観測されるなか、気掛かりなのはテクニカル面。先日「しっかり」と上抜けた感のあった移動平均の200日線(110.15-20円)を本稿執筆時には、再び下回って推移している。急落ということは予想しにくいが、ドルの上値は重い状況がしばらく続く可能性も否定出来ない。
なお、材料的には「米中」を中心とした米貿易戦争懸念が再燃していることが注目されるほか、本日の欧米時間ということではECBによる金融政策の発表、ならびにドラギ総裁の記者会見に要注意。ユーロが主導する格好で、ドルや円の相場にも波及的な影響を及ぼすかもしれない。
テクニカルに見た場合、昨日筆者は「110.15-20円に位置した移動平均の200日線をしっかり超えたのちは同レベルが逆にサポートになっている感を否めない」−−と報じたが、本日の東京時間にそのサポートを再び割り込んできた。飽くまでザラ場ベース、一時的な動きでありスグに回復することが出来るのか、それともまたもや200日線が抵抗となってしまうのか、まずはその攻防に注意を払いたい。
ちなみに、再度突破した場合には昨日高値の110.85円がターゲットとなる反面、抵抗となった際にはドル続落も。109.20円レベルが下値メドとなりそうだ。
一方、材料的に見た場合、5月の小売売上高や4月の企業在庫という米経済指標が発表されるものの、本日はそれよりも欧州情勢、具体的にはECBによる金融政策の発表、ならびにドラギ総裁の記者会見に要注意。市場筋のあいだでは、「緩和縮小の道筋明示ならユーロ高だが、南欧不安への配慮などで景気に慎重見通しならユーロ安が進む」−−などといった見方が有力だ。
また、それとは別に、「対中関税、トランプ政権が15日にも発動へ準備」(WSJ紙)と報じられる状況下、「米大統領、対中追加関税発動めぐり通商顧問と14日協議」とされるだけに、米貿易問題をめぐる動きにも注意が必要だろう。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、109.50-110.50円。ドル高・円安方向は、本稿執筆時に下回って推移している移動平均の200日線(110.15-20円)が最初のターゲット。上抜ければ、110.85円の昨日高値、そして111円レベルなどを目指す展開も。
対するドル安・円高方向は、一目均衡表の基準線や移動平均の25日線など複数のテクニカルポイントが位置する109.75-90円がサポートに。割り込むようだと、先週末のドル安値109.20円が意識されそうだ。(了)
オーダー/ポジション状況
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