<< 東京市場の動き >>
6日の東京市場は、ドルが小高い。チャート的には緩やかな右肩上がり、「寄り付き安・大引け高」の様相だったが、値幅は30ポイント程度にとどまるなど、ドルの上値の重さも目についた。
ドル/円相場は寄り付いた109.80円レベルを日中安値にじり高推移。前日比19円安で寄り付いた日経平均株価がプラス圏を回復、一時100円高となったことや米金利の上昇などが好感されていたという。夕方にかけては、前日に続き110円台をわずかに回復したものの、まだ「しっかり」抜けたかどうかは微妙な情勢だ。
16時時点では、110.00-05円の日中高値圏で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、本日も「北朝鮮情勢」と「米貿易問題」。
前者については、12日に実施される米朝首脳会談の会場が「シンガポールのカペラホテルで決定」するなか、トランプ米大統領から「12日は非常に重要な一日になるだろう」といった発言が聞かれていた。対して後者は、カナダ高官から「G7サミットで通商問題を率直に議論へ」、米WH報道官による「日米首脳会談では、米朝首脳会談への対応や貿易の問題などをめぐって意見が交わされる」−−との発言が報じられていたほか、米ABCは「ムニューチン米財務長官がカナダを関税適用から除外するように要求」と報道、一部で物議を醸していたという。
<< 欧米市場の見通し >>
依然としてドルの基調は強く、前日に続き本日の東京時間にも110円超えをうかがうも、抜けたか否かは微妙な情勢。いま少し状況を見極める必要があるだろう。ただ、リスクという点ではドル高方向にバイアスがかかり、「しっかり」抜ければさらなる上値追いも期待されるが、110円レベルを抜けたとしても、110.15-20円には移動平均の200日線が位置しており、さらなるドルの上昇を阻む可能性も取り沙汰されている。
米株価や金利高などがドルの支援要因となる一方、材料的には、ややドルを買いにくい雰囲気もなくはない。その最たるものは「米貿易戦争の再燃懸念」だ。米株の動きをみても、無反応というか、それほど材料視していない感が見受けられるものの、そんなに簡単に「手打ち」がなされるものなのだろうか。先で指摘したように、7日に実施される日米首脳会談においても、両国の貿易問題が議論されるもようであるなど、実は予断は許さない気がしている。
テクニカルに見た場合、ドルは直近高値111.39円を示現後の調整過程にあると思われたが、本日の東京時間には110円を上限とした保ち合いを上抜けしかかっており、再びドル高基調が強まる可能性も出てきた。
そんなドルの次のテクニカルポイントは110.15-20円で、移動平均の200日線が位置するほか、直近高値111.39円を起点とした下げ幅のフィボナッチ61.8%戻しにも合致する。まずは同レベルの攻防が注視され、抜けるようだと週足の移動平均52週線が位置する110.30-35円、あるいは前述したフィボナッチの76.4%戻しにあたる110.60-65円などがターゲットに。
一方、材料的に見た場合、4月の貿易収支など幾つかの米経済指標が発表される予定となっている。ちなみに、予想は前月とほぼ同じの490億ドルの赤字が見込まれているようだ。一部参加者からは、「資源高や内需の底堅さで輸入は高止まりする」との見方も聞かれており、現在「米貿易問題」が話題になっている状況下、内容如何では相場の波乱要因となりかねないかもしれない。
それ以外では、欧州政治や北朝鮮情勢についても、一応要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、109.50-110.50円。ドル高・円安方向は、節目である110円レベルを取り敢えず超えてきたが、200日線などが位置する110.15-20円をはじめテクニカルポイントが複数存在している。ドルの上値は重そうだ。
対するドル安・円高方向は、移動平均の25日線(109.70円レベル)がサポートとして機能している感があり、引き続き同レベルをめぐる攻防に要注意。仮に割り込むようだと、昨日安値の109.37円がターゲットとなる。(了)
オーダー/ポジション状況
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