豪州中銀・金融政策決定会合要旨(2018年6月5日開催分)
豪州準備銀行(中銀)政策金利
現行の1.50%で据え置き決定。(市場の予想通り)
(中銀の委員会要旨)
本日の会合で、委員会はキャッシュレートを現行の1.50%に据え置くことを決定した。
世界経済は過去1年で強さを増した。幾つかの先進国では平均トレンド以上の成長を見せ、失業率は低下している。中国経済は底固く伸び、当局は金融市場のリスクや安定的な成長に目を配っている。幾つかの国で成長が増し、タイトな労働市場により先行き利上げが予想されているにも関わらず、世界的にインフレは低いままとなっている。世界経済の状態は改善を続け、幾つかの中銀は緩和を止め、利上げステップが予想されている。
金融市場は欧州圏…とりわけイタリアの政治状況に影響を受けている。また、米国の国際貿易政策の方向性や新興国の先行きの成長度合いに関心がもたれている。多くの先進国の長期債イールドは最近低下した。企業債とのスプレッドは拡大している。全般的に、金融市場は拡大を続けている。米金利は年初の予想より引き締めが強まっているにも関わらず、短期的に米ドルは最近緩んだ。米国の利上げは、豪州含めて幾つかの先進国の短期金利を押し上げた。
原油価格は最近上がった。幾つかの卑金属も上がった。それでも豪州の貿易条件ではここ数年間下がっている。それでも相対的に高い水準にはいるが。
豪州経済の最近のデータでは、中央銀行のGDP見通し上昇の流れを維持している。2018年と2019年には3%を僅かに越えると予想している。企業状況はポジティブで、非鉱山関連部門投資は増加している。公共インフラ投資は高水準を維持し、経済を下支えしている。輸出は拡大が期待されている。引き続き不確実性が予想される部門は家計消費である。家計収入の伸びは遅く、債務が高水準である。
最近は若干緩やかであるが、雇用は過去に大きく改善した。雇用の強い伸びは労働参加率の著しく強い伸びを伴っている。とりわけ婦人層と高齢者層の参加率が高い。失業率はここ数ヶ月間約5.5%付近とほとんど変わっていない。色々な先行き指標を見ると、今後もまだ強い雇用が予想され、失業率は緩やかに下がることが予想されている。賃金の伸びは低いままである。この状況はおそらくまだ続くだろう。いずれ強い経済が賃金上昇に繋がるべきと思われる。賃金の伸びは谷に入り、必要な熟練技術を持った労働者を探すのが困難になっている。
インフレは依然低く、暫くの間続くだろう。これは労働コストの低い伸びで、とりわけ小売部門での価格競争力の高まりを反映したものだ。しかしながら、経済拡大と共に、インフレは徐々に上がると予想されている。中銀のCPIインフレ予想は2018年には2%を越える水準まで上がるとみている。
豪州ドルは過去2年間に亘りレンジ内で推移している。通貨高は経済活動の上昇をゆっくりとしたものにし、インフレは予想以下にしてしまう。
シドニーやメルボルンの住宅市場は減速した。幾つかの地域では高値から価格が下がっているが、豪州全体での住宅価格は過去6ヶ月間、ほとんど変わらなかった。だが、この改善の進み具合はゆったりとしている。
低金利水準は引き続き豪州経済を下支えしている。失業率の更なる改善やインフレを目標値に回帰することが期待されている。現状の利用できる情報をもとに、委員会は金融政策の現状維持を決めた。これにより、持続的経済成長を促し、インフレの目標値達成に寄与するだろう。
(要旨以上)
(注)豪州中銀金融政策会合要旨は一部を和訳したものであり、詳細は金融政策要旨本文をお読みください。
今回の金融政策もエコノミスト予想通り据え置きで、議事要旨もほとんど変わりません。イタリアの政局不安と米国の貿易問題を加えた位になっています。
為替は予想通りの内容にほとんど動きませんでした。(6月6日14時30分、1豪ドル=0.7660米ドル)
尚、次回金融政策会合は2018年7月3日(火曜日)に予定されています。
(以上)
オーダー/ポジション状況
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