ドル高リスク再燃も、上値は重そう(6/5夕)

5日の東京市場は、ドルが小じっかり。値幅は30ポイントにも届かないなど、大きな動意は見送られたが、一時5月24日以来となる110円をワンタッチする局面が観測されていた。

ドル高リスク再燃も、上値は重そう(6/5夕)

<< 東京市場の動き >>

5日の東京市場は、ドルが小じっかり。値幅は30ポイントにも届かないなど、大きな動意は見送られたが、一時5月24日以来となる110円をワンタッチする局面が観測されていた。

ドル/円相場は、109.75-80円で寄り付いた。同レベルを日中安値にドルは底堅く推移したものの、上値も重く日中高値は110円レベルまで。日経平均を中心とした株価の動きや、米長期金利の動きに一喜一憂しつつも、積極的な動意は乏しく、値動きも限定的なものに留まっている。
結局、16時時点では109.80円前後で推移、欧米時間を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「米貿易問題」と「北朝鮮情勢」。とくに前者は、「メキシコが米を世界貿易機関(WTO)提訴へ」、「プーチン露大統領、米国への対抗制裁法案に署名」との報道が観測されるなど、週末のG7サミットをにらみ、米国包囲網が強まってきた感を否めない。
また、それら以外では、「黒田日銀総裁が安倍首相と面談」を行い、G7財務相・中銀総裁会議における議論の状況を報告したようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

本日の東京時間、ドルは上昇し110円をワンタッチしたものの、超えられず。実際、ティックチャートなどをみると、110円レベルをつけたのはホンの一瞬で、ドルの上値の重さを再確認したと言えるかも知れない。リスクという点ではドル高方向にバイアスがかかり、「しっかり」抜ければさらなる上値追いも期待されるが、110円前後、あるいは110.15-20円に位置する移動平均の200日線が頭を抑制する格好で、レンジを抜けることは難しいとの見方も少なくないようだ。
米株価や金利高などがドルの支援要因となる一方、材料的には、ややドルを買いにくい雰囲気もうかがえる。その最たるものは「米貿易戦争の再燃懸念」で、週末のG7サミットでは再び「米国vsG6」という対立構図になるとの声も聞かれていた。また、可能性は低いだろうが、7日に実施される日米首脳会談において、両国の貿易問題が取り沙汰され、不協和音が生じる危険性もないではない。

テクニカルに見た場合、先週一時108.12円まで下落したようなドルの下値不安は一服、足もとは110円を上限とした保ち合いの様相を呈している。そんな110円レベルを「しっかり」超えれば調整終了の可能性が高まることも予想されるが、本日の東京時間を見る限りでもドルの上値は重そう。また、110円を少し上回ったレベル、具体的に110.15-20円は移動平均の200日線が位置するほか、直近高値111.39円を起点とした下げ幅のフィボナッチ61.8%戻しにも合致するテクニカルポイント。イケイケドンドンで、110円を突破し、さらなる高値トライといった展開もなかなか予想しにくい面がありそうだ。

一方、材料的に見た場合、5月の総合PMIや同ISM非製造業総合指数など幾つかの米経済指標が発表される予定であるうえ、「ドラギECB総裁とトリシェ前総裁がECB創設20周年のイベントに参加」する見込みだ。前者もさることながら、後者について「イタリア、スペインの政治不透明感などによる緩和縮小への慎重姿勢が焦点となる」−−などとして、参加者からは警戒感を示す声も聞かれていた。
それ以外では、「米貿易問題」を背景にした週末G7サミットを控えた動きなど、各国の政治要因や要人発言に注意を払いたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、109.30-110.20円。ドル高・円安方向は、本日東京時間にワンタッチした110円レベルの攻防にまずは注視。ただ、抜けても、110.15-20円に再びテクニカルポイントが存在しているなど、ドルの上値は重そうだ。
対するドル安・円高方向は、本稿執筆時に絡む値動きとなっている移動平均の25日線(109.70円レベル)がサポートとして機能するかどうかが注目されている。割り込むようだと、昨日安値の109.37円がターゲットに。(了)

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