<< 東京市場の動き >>
31日の東京市場は、小幅にドル安・円高。ただ、レンジそのものも40ポイントには届いておらず、基本的には108円後半を中心とした一進一退に留まっている。
ドル/円相場は、108.90円前後で寄り付いたものの、明確な方向性は乏しい。前日に大幅安の展開をたどった日経平均株価の動きを注視しつつ、おおむね108円後半での揉み合いとなった。ちなみに、注目されていた日経平均株価は前日比144円高で寄り付いたあと、一時200円高を記録する局面も観測されている。
そうしたなかドル/円は、16時時点では108.65-70円で推移し、欧米時間を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、本日も引き続き「北朝鮮情勢」。サンダース米報道官から「米朝会談開催に向けた事前協議は順調に進捗」との発言が聞かれるなか、朝日新聞「北朝鮮、米に“信頼できる証拠”を求める」、中央日報「米国と北朝鮮が外交関係の樹立を協議」との報道が観測されていた。また、そののち訪米をしている「北朝鮮の金統一戦線部長がポンペオ米国務長官と夕食をとりながらおよそ1時間半の会談を行った」との報道も別途なされていたようだ。
それらとは別に、ワシントンポストが「米政府はカナダ、メキシコ、EUに鉄鋼・アルミ関税発動へ」と報じていたうえ、「G7とあわせ、麻生財務相は米財務長官と英中銀総裁らと会談へ」との報道も。
<< 欧米市場の見通し >>
ドルは111.39円の戻り高値を記録後の調整局面に入っているものの、それが価格調整であるのか時間調整であるのかは、まだわからない。108.00-109.50円あるいは108.00-110.00円といったレンジ取引が、いましばらく続く可能性もある。いずれにして、本稿執筆段階では、その中間地点に近い水準に位置することから、このあともレンジ放れが現実のものとなるのかどうか、動静に注意を払いたい。
ただ、材料的には本日から明日にかけて、5月の米雇用統計発表や、G7財務相・中銀総裁会議のほか、米朝両首脳の側近による協議、米国による輸入関税延長措置の期限切れ、スペイン・ラホイ首相への不信任決議案採決の見込み−−など、そこここで注目要因が目白押しの状況となる。予断は許さない。
テクニカルに見た場合、21日高値の111.39円から、108.12円まで一時3円以上値を下げたものの、足もとは小康状態となっている。リスクというでは、下方向にバイアスがかかりそうだが、先でも指摘したようにしばらくは108円前後を下限としたレンジ取引が続く可能性も否定出来ない。
ちなみに、テクニカルな次の下値メドはまず108円レベル、そして107.70-75円に位置する移動平均の75日線などが意識されているようだ。対する上値メドは、まず109.05-10円で、抜ければ109円半ば、109.65-75円などとなる。
一方、材料的に見た場合、4月のPCEデフレーターや5月のシカゴ購買部協会景気指数といった幾つかの米経済指標が発表されるほか、ボスティック・アトランタ連銀総裁やブレイナードFRB理事などが講演を実施する予定となっている。前者については、昨日発表されたADP雇用統計が予想を下回ったこともあり、悪い数字が続くようだとドル安の要因にも。
そのほか、先で指摘した「G7財務相・中銀総裁会議」が6月2日までの日程で始まるうえ、それにともなう麻生財務相とムニューチン米財務長官の会談が実施される見込み。また「米国による輸入関税延長措置の期限切れ」は、少なくともEU分について「適応除外を延長しない方針を31日も通達の方針」(WSJ紙)とされており、マーケット動意の材料になることも。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.00-109.20円。ドル高・円安方向は、109.05-15円に弱い抵抗が位置しており、まずはその攻防に注目。抜けると、109円半ばが次のターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日記録したドル安値108.12円が最初のサポートで、少し下に位置する108円前後の攻防にも要注意。下抜ければ75日線や一目均衡表の先行帯の雲などが意識されそうだ。(了)
オーダー/ポジション状況
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