ドル円好悪材料交錯で方向感出ず
昨晩の海外市場ではイタリアの政局混乱が一応収拾に向かう見込みとなった一方で、米国が6月1日よりEU、カナダ、メキシコに対し保留していた高額関税を発動することを明らかにしたことから、市場のリスク認識に合わせてドル円相場が上下する展開となりました。
ドル円は海外時間序盤には、イタリアの再選挙回避の可能性が出てきたことなどからリスク回避の巻き戻しの流れに109円に上昇しましたが、ロス商務長官が3月に一時実施を見送っていたEU、カナダ、メキシコに対し、鉄鋼25%、アルミニウム10%の輸入関税賦課を6月1日より実施すると発表、対象国が強く反発し報復関税実施等の対抗措置をとる方針を示したことから、保護主義の強まりを懸念したリスク回避の円買いとなり108.39まで下落しました。
その後は、イタリアでポピュリズム政党があらためて経済学者ジュゼッペ・コンテ氏を首相とする連立政権樹立で合意、前回財務相就任を大統領に拒絶されたユーロ懐疑派サボナ氏を欧州問題担当相に変更したことでマッタレッラ大統領も受け入る見込みとなったことから、ドル円にも買戻しが入り、結局東京時間7:00現在は前日東京時間と大差ない108.80レベルでの取引です。
イタリアの政治空白が埋まる見通しとなったことで、市場はようやく一週間に及んだイタリア政局材料から離れ、貿易問題、北朝鮮問題、第2四半期の米欧足下景気等、本来のテーマに回帰する見通しです。この間に一部の米指標に変調が見られる一方で、欧州の指標に復調も見られており、今晩の雇用統計はじめ、再度指標の点検を行う動きが強まりそうです。
本日この後8:50からは本邦法人企業統計の発表があります。
オーダー/ポジション状況
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