<< 東京市場の動き >>
週明け28日の東京市場は、小幅にドル安・円高。早朝レベルを高値にドルは下値を試す展開となったが、参加者は乏しかったようで値幅も限られた。
先週、トランプ米大統領が「米朝首脳会談の開催中止」と発言していたが、週末に様相が変わり「予定通り実施」の可能性が高まったことを好感し、ドル/円相場は109.70-75円と先週末のNYクローズよりも円安レベルで寄り付いた。
しかし、「北朝鮮効果」は続かず、日経平均株価が冴えない値動きをたどったことなどが嫌気され、寄り付きレベルを日中高値に下値を試す動きに。とは言え下値もなかなか攻めきれず、109.30-35円で下げ止まると16時時点では若干反発した109.45-50円で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、本日もまずは「北朝鮮情勢」。先で指摘したように週末にトランプ氏が「6月12日の会談実施は可能」などと発言するなか、サンダース米大統領報道官は「政権チームが会談下準備でシンガポールへ」とコメント、また聯合ニュースも「キム元駐韓米大使、板門店で北側と実務協議中」と報じるなど、先週末から様相は再び一変した感がうかがえる。
そのほか、「トルコ大統領、国民にドルやユーロ貯蓄のトルコリラへの交換を要請」、「イタリア新首相が組閣断念、大統領は総選挙検討」−−といった欧州絡みで気になるニュースが伝えられていた。
<< 欧米市場の見通し >>
21日に記録した111.39円を目先高値に、足もとは調整局面入りしている感を否めない。少なくとも、ドルの上値トライは仕切り直しか。しかし、先週24日の109円割れでドル下押しの初動・第一波も一服し、足もとは小康状態となっている。このあとについても、価格ではなく時間調整の様相から、レンジ内での揉み合いを見込む声は少なくないようだ。なお、予断は許さないものの、本日は新規材料に乏しいうえ、ロンドンとNY、株式を中心とした主要な英米市場が休場になることで、輪をかけて動きにくそうとの指摘も聞かれていた。
一方、材料的にも、トルコやイタリアなど欧州を中心とした政治情勢、米中をはじめとする貿易問題などは気掛かりだが、北朝鮮情勢については必ずしもリスク回避の円買い要因とばかりは言えない状況になっている。そのため、仮にいま一段の円高が進行するには、さらなる材料が必要との声も少なくない。
テクニカルに見た場合、3月26日にドル安値104.58円を記録したあとの展開が、それ以前と似ている、つまりは104.58円を中心とした「シンメトリー(左右対称形)」をたどっている、と報じたことがある。そして、しばらくのあいだ似たような値動き・チャートの形状を実際にたどったわけが、今回は5月21日高値105.39円を中心とした「シンメトリー」を警戒する声が聞かれ始めた。つまり、2週間程度「4月末から5月初旬にかけて推移した108.65-110.05円といったレンジでの揉み合い」になるとの見通しになるようだ。実際のところはどうなるのか、動静を見極めたい。
一方、材料的に見た場合、ロンドンとNYという株式を中心とした主要欧米市場が休場になることもあり、目立った米経済指標の発表や、米要人による講演などは特別予定されていない。そうした意味では動きにくい雰囲気だ。
ただ、先で指摘した欧州を中心とした政治情勢のほか、北朝鮮をめぐる動き、トランプ政権が検討に入った「米自動車関税」と、6月1日に期限切れとなる対EUなどへの「米鉄鋼関税」に関するものなど貿易関連での問題は山積みとなっている。それらには一応要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、109.00-109.80円。ドル高・円安方向は、移動平均の25日線が位置する109.70円の攻防にまずは注目。抜けると、移動平均の200日線などが位置する110.15-20円がターゲットとなる。
対するドル安・円高方向は、先週末安値の109.10-15円が最初サポートで、割り込むようだと直近安値の108.95円、5月安値の108.65円などが視界内に。(了)
オーダー/ポジション状況
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