ユーロ乱高下、イタリア情勢先読み難く
週明けの東京市場でユーロは反発、日中はじりじりと値を上げ1.1728をつけましたが、夕刻欧州勢参入とともに下落に転じ、早朝オセアニアでの寄付1.1656を割り込んで値を下げています。
27日にイタリアのマッタレッラ大統領は次期首相に指名されたジュゼッペ・コンテ氏の組閣案のうち経済相に指名されたユーロ懐疑派のパオロ・サボナ氏の起用を拒否しました。これは組閣案につき、イタリアをユーロ離脱に向かわせる人物を起用しないよう大統領が事前に要請したのに対し、連立政権を作ろうとしている「五つ星運動」と「同盟」が候補の変更を拒否したためであり、異例のことです。
「五つ星運動」のディマイオ代表は激怒、大統領の弾劾を議会に求めるとしています。
政治経験の無い経済学者のコンテ氏は組閣を断念、大統領は元IMF幹部のコッタレッリ氏を招請して組閣を依頼する見込みですが、短期政権、再選挙となる可能性は高く、その場合現連立勢力が逆に勢力を増す公算が高いとされています。
週末に俄かに現出したイタリアの複雑な情勢に、ロンドン、ニューヨークが休場の薄い市場はチョッピーな動きとなっており、東京時間19:00過ぎにユーロは対ドル1.1650を再び割り込む動きとなっています。
ポピュリスト政権の組閣の失敗とユーロ懐疑論者の財務相就任阻止に週明けユーロ買い、イタリア債券、株式買いで一旦は反応した市場でしたが、先行きの不透明感が増したことや、再選挙の場合更に他のユーロ諸国にとっては状況が悪化する懸念も認識され、夕刻以降はユーロ売り優勢に転じた形です。
今晩この後は重要な経済イベントはありませんが、前述の通り米英休場の薄い市場でユーロの下方向へのオーバーシュートには要注意です。序盤の欧州株価指数先物はまちまちの様相。
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