英米休場でドル円小動き、ユーロは安値更新
28日の海外市場でドル円は109円台前半を中心に方向感無く推移。英米市場が祝日のため休場で、材料難の中方向感の無い取引に終始しました。一方でイタリア情勢の不安定化を背景にユーロは続落、年初来安値を更新し一時1.1628をつけています。ユーロ円も下落して127円を割り込む局面もありました。
前日にポピュリズム政権の組閣名簿を否認したイタリアのマッタレッラ大統領は、昨晩IMF元財務局長のカルロ・コッタレッリ氏を首相に指名、短期政権の樹立を目指しますが、新政権が国会の信任を得ることは困難と思われ、その場合8月以降再選挙となります。
また、信任された場合でも来年の予算成立後には解散して総選挙を行う方針を示しており、政権が予算策定のための政治色の薄い短期政権であることを強調しています。
これまでイタリアの大統領は象徴的な存在と考えられていたために組閣の拒否はイタリア国内でも驚きを持って受け止められていますが、ポピュリズム政党「五つ星運動」と右派「同盟」を合わせた支持率は両党の得票合計50%を上回る60%に達していると伝えられる中、大統領の組閣拒否が、極端な行動とEU離脱の危機を救う安全弁として機能したと評価されるのか、それとも国民の決定を無視した裏切り行為とみなされるのかは相当微妙な情勢です。
ポピュリズム政党の組閣拒否を一旦は好感した金融市場も、先行き不透明感と政権の空白長期化に為替、株、債券のトリプル安に転じ、イタリアの10年物国債利回りは前週末比0.22%上昇してドイツ国債利回りとのスプレッドは2.3%を越えました。
東京時間6:30現在のユーロは1.1625レベル引き続き頭の重い展開が継続しそうです。
尚、昨晩は先週史上最安値を更新していたトルコリラが急反発。
トルコ中銀が首相政策金利を簡素化、一週間もののレポ金利を中心とすることに決め6月1日から適用水準を現状の8%の倍以上の16.5%に引き上げます。また、翌日物の借入れ貸出金利をレポ金利の上下1.5%に設定、これにより現在の9.25/7.25%が18.0/15.0%にこちらも大幅上昇となります。
これにより中銀がエルドアン大統領の圧力をかわし通貨下落対策に取り組めるとの期待が広がり、先週一時対ドルで4.92を上回る水準へ下落したトルコリラは対ドル4.58、対円で23.85レベルまで値を戻しています。ただ、独裁的傾向を強める「金利の敵」エルドアン大統領が今後どのような対応を示すのか注意が必要です。
本日はこの後8:30からは本邦4月の求人倍率と失業率の発表が予定されています。
オーダー/ポジション状況
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