<< 東京市場の動き >>
週明け21日の東京市場は、ドル高・円安。それも「早朝安・大引け高」かつ、ザラ場ベースでは111.30円台まで値を上げ直近の戻り高値を更新するなど、ドルの強さばかりが目に付いた。
週明けのドル/円相場は、先週末のNYクローズよりやや円安レベルとなる110.80-85円で寄り付いた。先週末にかけて実施されていた米中貿易協議は玉虫色の決着だったが、それでも米財務長官から「中国との貿易戦争を当面保留する」との発言が聞かれたことが好感されていたようだ。
また、寄り付いたあともドル買い・円売り傾向は止まらず、直近高値だった111.08円を超えると一気に111.40円レベルまで値を上げた。16時時点でも、ほぼ同レベルである日中のドル高値圏で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、本日も「北朝鮮情勢」と「イラク核合意」に関するニューとなど。
前者については、北朝鮮の労働新聞が「米国がありもしない我々の『人権問題』について喧伝している」と非難する署名入りの論説を掲載するなか、共同通信は「G20外相会合で韓国が北朝鮮の非核化支持要請へ」と報じていた。対して後者は、週末に欧州諸国やロシアを中心に会談などが実施されるなか、米国務省から「21日に対イラン新戦略発表へ」とのコメントが聞かれている。
<< 欧米市場の見通し >>
市場は、完全にドル買いへの安心感を高めている。たとえば、先に記した「米中貿易協議」についても、玉虫色の解決で決着を先延ばししたに過ぎないが、それでも市場は好感、ドルの買い要因と認識している感を否めない。こうなると、材料的には決定的なドル売り要因が示されない限り、ほとんどのものについてドル買い要因と認識される可能性を否定出来ないのかもしれない。いずれにしても、ドル買い方向へのリスクが高い状況がいましばらく続きそうだ。なお、そんなドルの次のターゲットは1月18日高値の111.48円、抜ければ週足・一目均衡表の先行帯の雲の下限が位置する111.95-00円などとなる。
ただし、3月26日安値104.58円を起点に、価格的には7円近く、2か月近い上昇をたどっていることは認識しておきたい。金融用語の「山高ければ谷深し」ではないが、一度調整が入ればかなりのドル安進行となる可能性もある。
テクニカルに見た場合、3月26日に安値を記録後の展開は、一本調子ともいえるドル高の進行で、綺麗な「上昇チャンネル」を形成している様相がうかがえる。
ちなみに、その下限は本日110.10円レベルに位置しており、連日13ポイント程度ずつ水準を切り上げていく(つまり、明日の下限は110.23円、以降110.36円、110.49円などとなる)。本格的な調整が予想されるときは、この上昇チャンネルの下限を割り込んだときで、その攻防にはいまから注意を払っておきたい。
一方、材料的に見た場合、4月のシカゴ連銀全米活動指数という米経済指標が発表されるほか、ボスティック・アトランタ連銀総裁やハーカー・フィラデルフィア連銀総裁による講演が予定されている。
そのほか、アルゼンチンでG20外相会議が実施されるうえ、先で指摘したように米国務省から「対イラン新戦略」発表される見込みとなっている。なお、前者については「韓国が北朝鮮の非核化支持要請へ」と報じられているだけに、会合の結果如何では北朝鮮がさらに態度を硬化させるといった事態に陥らないとも限らないだろう。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.80-111.90円。ドル高・円安方向は、1月18日高値の111.48円に近い本日の東京高値である111.40円。抜ければ111.90-95円や112円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、これまでの抵抗だった111.00-10円が最初のサポートで、110.80円や110.60円などもテクニカルポイントとして意識されそうだ。いずれにしても、かなり底堅そうな雰囲気は否めない。(了)
オーダー/ポジション状況
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