ランド円ショートコメント
まず、先週の振り返りですが「8.75レベルをサポートに直近高値をトライし9.05レベルをレジスタンスとする週」を考えました。実際のレンジは、安値が8.65レベル、高値が8.99レベルと9円の大台を阻まれる動きから反落し、安値圏での引けとなりました。
先週は、米金利上昇が新興国通貨を軒並み安くする動きだった一週間でした。ドル円も111円台までドル高が進みましたが、アルゼンチンペソを筆頭に新興国通貨は軒並み売られ、比較的優等生だったランドも対ドルで年初来安値(ドル高値)の12.8166をつけました。南アフリカ自体で材料があったわけではなく、単にドル高相場の中で新興国通貨への影響が出たということになります。
今週は南アフリカでは23日にCPIの発表と24日に政策金利の発表がありますが、政策金利は現状維持がコンセンサスとなっていることもあって、CPIの注目度もそれほど高くありません。それよりも来週の材料となりますが、25日にS&Pによる格付け発表があります。現在S&Pは自国通貨建て国債をムーディーズ(Baa3=BBB−)よりも1ノッチ低いBB+とジャンク債(投資不適格)としていますが、今回の見直し(見通しは安定的と変化は無さそう)で、ムーディーズと同水準に引き上げるかどうか、引き上げるとすれば来週以降のランド買い材料とはなりそうです。
今週は、ドル高が継続するのかどうかが最大の注目点ですが、主要通貨ではそろそろいったんドル買いの動きに小休止が入りそうな印象です。そうであればランドも下げ止まる可能性がありますが、ここ2週間のチャートの形はあまりよろしくありません。
いつもの4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)をご覧ください。
ランド円、ドルランド、ドル円 四時間足
明らかに9円の大台乗せに失敗した後の下げとなっていて、ここ2週間ではピンクのラインで示した三角もちあい上のラインを下抜けてきている動きです。これは3週前の安値8.56を試しやすい流れにあると考えられ、いっぽうでレジスタンスは先週金曜の戻り高値水準で抑えられやすいと言えるでしょう。
今週は引き続き上値が重たい展開を考え、8.55レベルをサポートに、8.85レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。
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