ランド円レポート月曜版
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、ランド円は上値が重たい展開を考え「8.55レベルをサポートに、8.85レベルをレジスタンスとする流れ」を見ていました。実際のレンジは、安値が8.64レベル、高値が8.88レベルと、予想よりは下値が底堅かったものの新興国通貨懸念が大きく上値も重たい展開が続きました。
先週のランドは、CPIと政策金利の発表、そして週末のS&Pによる南アの格付け発表が主要イベントとなりました。23日のCPIは年率4.5%と前回よりも上がりましたが予想よりは低く、翌24日の政策金利はコンセンサス通り現状維持となりました。S&Pによる南アの格付けも予想通り現状維持のBB+で見通しも安定的となりましたが、格付け自体はジャンクのままです。週末の発表でしたが、週明けのランド相場には影響は出ていません。
S&Pは南アフリカについてコメントを出していますが、見通しについては政府債務がGDPの50%を超えてはいるものの、来年までは成長が続くであろうことから安定的としたとのこと。ただ、現在の南アの成長は不確かであり政府債務は依然として増えていることには懸念も示してしています。前回もS&Pは南アフリカの格付けを引き上げることは全く考えていない旨のコメントをしていましたが、今回のコメントも当面はジャンク級が続くであろうといった内容と考えられるでしょう。
既にラマポーザ新大統領となって半年近くが経過しましたが、投資家としては期待はあるものの現実にも目を向け始めてきたという段階です。そして、そこにアルゼンチンペソの急落をはじめとする新興国通貨の混乱が起きたことになりますが、そうした通貨に比べればランドはかなり健闘していることは間違いありません。
FX羅針盤ではランドとトルコを扱っていますので、ランドトルコ(ZAR/TRY)のクロスを見ると明確です。以下は、ZAR/TRYの日足チャートです。
ランドの方が対ドルでの数字が大きいですから、1ランド=●トルコリラで表示すると、昨年10月には1ランド=0.26トルコリラだったものが、直近では1ランド=0.39トルコリラを超える水準となっていて、大きくランド高・トルコリラ安が進んでいることがわかります。上記7か月で50%もランド高が進んでいますので、新興国通貨内でもランドの健闘具合がわかるというものです。
さて、今週ですが南アフリカ関連では31日に貿易収支とPPIがありますが、政策金利発表も終わった後ですし、PPIはあまり重視されないでしょう。貿易収支は毎月結構ブレが大きいのですが、前回(3月)の+95億ランドに対して今回(4月)は+40億ランドの予想となっています。ただ2月は+4億ランド、1月は−277億ランド(1月は例年赤字)とどうも統計自体が大丈夫なのかと思わせるブレようで正直なところあまり参考に出来ないのではといった感じです。
材料的にはあまり動きは出ないと思われますが、チャートはどうでしょうか。いつもの4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)をご覧ください。
ランド円、ドルランド、ドル円 四時間足
緩やかではあるものの高値を切り下げ、安値を切り上げているもみあいのチャートとなってきたと言えます。今週も5月のレンジ(8.56〜8.99)を抜けることは無いでしょうし基本は先週のレンジを中心とした値動きになると考えられます。
今週のランド円は横方向への動きを考え、8.65レベルをサポートに、8.85レベルをレジスタンスとする週をみておきます。
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