<< 東京市場の動き >>
19日の東京市場は、小幅にドル高・円安。一時は107円半ばまで値を上げ、直近の戻り高値を更新したが、勢いは続かなかった。
ドル/円は107.20-25円で寄り付いたのち、日中安値の107.15円まで小緩んだものの、切り返すとドルは反騰高。日経平均株価がザラ場ベースで100円を超す上昇を見せたうえ、注目材料だった日米首脳会談が無事に終了したことが好感され、ドルの買い要因になっていたという。
前日に記録した戻り高値107.35-40円を抜けると、107円半ばまで値を上げたのち、16時時点では107.35-40円で推移し、欧米時間を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「日米首脳会談」に関するニュースなど。2日間の日程の会談終了後に、「茂木経済再生相と米通商代表の協議開始で合意」「米国と日本が新たな合意できるか関税について協議」「対北朝鮮で緊密な協力確認」−−などといった発表がなされていたが、為替を含めて具体的な言及はなく、ネガティブ派にとっては、やや肩透かしを食った格好に。
そのほかでは、朝鮮中央通信「北朝鮮が20日に朝鮮労働党中央委員会総会を開催」、「福田財務次官が辞任、ただセクハラは改めて否定」などのニュースも別途観測されていた。
<< 欧米市場の見通し >>
ここ1-2週間は猫の目のように、「米中貿易戦争」や「シリア情勢」、「安倍政権不安」、「北朝鮮情勢」、「日米首脳会談」−−と、目まぐるしく注目材料が変化した為替市場だが、「北朝鮮情勢」を残して大きなものは取り敢えずすべて消化した感も否めない。目先はやや手掛かり材料難か。そうしたなか、マーケットでは久しぶりの原点回帰、米国のファンダメンタルズと金利情勢が材料になる、などとした指摘も聞かれていた。
いずれにしても、先で指摘したようにここ数週間は材料が多かったものの、それらが変動には結びつかなかっただけに、逆に次の材料模索のなかレンジ放れを試す展開などに警戒感を抱く声も少なくないようだ。
テクニカルに見た場合、依然としてレンジ取引。5日以降、2週間ほどは106.60-107.80円という1.2円ほどのボックスで一進一退をたどっているだけでなく、期間を狭めれば形成レンジはさらに狭くなる。
そうした意味では明らかに方向性が乏しいものの、敢えてリスクを指摘するなら、下向きではなく上方向か。レンジ上限である107.80円レベルを超えれば、なし崩し的に108円前後の強い抵抗をクリアに超えていく可能性も否定出来ない。
一方、材料的に見た場合、4月のフィラデルフィア連銀景況指数が発表されるほか、ブレイナードFRB理事の講演や、クオールズFRB副議長による上院銀行委員会での証言なども予定されている。また、アメリカン・エキスプレスをはじめとする米企業の決算発表にも、引き続き注意を払いたい。
それ以外では、確たる要因はないが、週末に実施されるG20財務相・中銀総裁会議に向け、再び米の保護主義政策を背景にした各国要人の発言がクローズアップされる可能性もある。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、106.80-107.80円。ドル高・円安方向は、本日の東京高値である107円半ばが最初の抵抗で、抜ければ前回高値107.78円、フィボナッチなどを含めた強い抵抗である108円前後がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日もドルの下支えに寄与した一目均衡表の先行帯の下限が位置する106.90円レベルの攻防をまず注視。しっかり下回ると、過去2週間ほどのレンジ下限である106.60円レベルが意識されそうだ。(了)
オーダー/ポジション状況
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