ドル円 会談での新たなプレッシャー感なく(4/19)

日米首脳会談が終了し、日本時間7時過ぎから共同記者会見が開かれたが、茂木再生相とライトハイザーUSTR代表との間で通商協議を開始していくことで合意されたこと、

ドル円 会談での新たなプレッシャー感なく(4/19)

【概況】

3月23日安値104.63円からの上昇を継続して4月13日高値107.77円まで3.14円幅となったが、週明け16日は反落、日米首脳会談の行方を見守りたいとの慎重姿勢で17日には106.88円まで下げ、18日未明も107円を割り込んだがいずれも買い戻され、18日は過度の懸念が後退したとして107.38円まで戻した。夜間はややジリ安だったが19日朝に日米首脳会談が終了、両首脳のスピーチでも従来以上の対日圧力を感じさせなかったとして18日高値を上抜いてきた。

【日米首脳会談にサプライズ無し、国際商品市況の上昇に注意】

日米首脳会談が終了し、日本時間7時過ぎから共同記者会見が開かれたが、茂木再生相とライトハイザーUSTR代表との間で通商協議を開始していくことで合意されたこと、トランプ大統領からは対日貿易赤字が少なくとも年間690億ドルもあるとして不満と削減要求が示されたものの従来の姿勢がさらに強まって具体的な要求が出されたというほどの印象はなかったと市場は受け止めたようだ。
しかし今後の通商当局による協議で具体的な要求水準等が示され始める場合には円安へのブレーキ、円高再燃のきっかけを提供することにもなりかねないので、過度の楽観には注意が要ると思う。
国内政局についても財務次官辞任等、政権及び霞が関に対する批判が強まり、先行きへの不透明感が増している。

米中貿易摩擦についても両国が関税強化を打ち出しつつも協議姿勢を示す状況が続いており、さらにロシアへの制裁が拡大していることも国際商品市況に影響を与えていることは注視しておく必要がある。ロシアのアルミ生産大手ルサール社が米英の取引から締め出されたためにアルミ地金の供給不安が発生し、ロンドンのアルミ相場が急騰している。同社はノリリスク・ニッケル鉱山の大株主でもあり、ニッケル、パラジウム、プラチナへの供給懸念も出始めており、18日は非鉄相場上昇とともにパラジウム、プラチナ、シルバー、ゴールドも上昇している。原油相場も在庫減少やOPEC等の協調減産継続を背景に1月天井を突破する一段高に入っている。原油相場の上昇、非鉄、貴金属相場の上昇は先行きのドル安要因となりかねない点にも留意してゆきたい。

【60分足 一目均衡表、サイクル分析】

【60分足 一目均衡表、サイクル分析】

4月16日から17日午後への下落により、3月23日安値と4月3日未明安値、4月11日深夜安値を結ぶ上昇トレンドの支持線から転落したが、4月10日及び11日の安値割れには至らず、3月26日以降の「高値切り上げ・その後の安値も切り上げる」強気パターンは継続しており、17日安値を起点に高値更新を試し始めていると思われる。この強気パターンが崩れるのは17日安値106.88円割れからとし、割り込まない内は上昇継続、高値更新の可能性ありと考える。

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは4月13日夜高値をサイクルトップとして下落したが、11日深夜安値から3日を経過した17日午後安値で直近のサイクルボトムをつけて強気サイクルに入ってきている。今回の高値形成期は18日夜から20日夜にかけての間と想定されるので、早ければ19日中に高値をつけて弱気転換する可能性もあるが、107.20円を上回る内は上昇余地ありとし、19日夜にかけては高値を試しやすい時間帯と考える。107.20円割れからは弱気転換注意とし、107円割れからは弱気サイクル入りと仮定して次の安値形成期となる20日から24日にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では、18日午前の上昇で遅行スパンが好転、19日午前の上昇で先行スパンを上抜いてきた。このため先行スパンを上抜く状況が続くうちは高値試し優先とし、先行スパン転落からは弱気転換注意とし、107円割れからは遅行スパン悪化中の安値試し優先へ切り替える。

60分足の相対力指数は18日夜の下落で50ポイントを割り込んだが切り返しているためまだ上昇継続余地ありとし、70ポイント超えを試すとみるが、18日の指数のピークを超えられない場合は弱気逆行型となるため反落警戒とし、次の50ポイント割れからは下げ再開の可能性を優先する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、下値支持線を107.20円、次いで107.00円、上値抵抗を107.50円とみておく。
(2)107.20円を上回る内は107.50円超えから13日夜高値107.77円試しへ向かう可能性ありとみる。13日夜高値前後ではダブルトップ形成からの反落に注意が要るが、高値更新の場合は上値目処を108.00円から108.25円にかけてのゾーンへ引き上げる。
(3)107.20円割れを弱気転換注意、107円割れからは弱気サイクル入りとして17日106.88円試しを想定する。底割れ回避なら次の上昇へ進みやすいと考えるが、底割れの場合は「安値切り上げ」パターンが崩れるため円高再開感が強まる可能性ありとして106.50円前後、さらに先行きで106円割れへ向かう可能性を考える。(了)<9:55執筆>

【当面の主な予定】

4/19(木)
17:00 (欧) 2月 経常収支 (1月 376億ユーロ )
17:30 (英) 3月 小売売上高指数 前月比 (2月 0.8%、予想 -0.6%)
21:00 (米) ブレイナードFRB理事、講演
21:30 (米) 新規失業保険申請件数 (前週 23.3万件、予想 23.0万件)
21:30 (米) 4月 フィラデルフィア連銀製造業景況指数 (3月 22.3、予想 21.0)
22:30 (米) クオールズFRB副議長、講演
23:00 (米) 3月 景気先行指数 前月比 (2月 0.6%、予想 0.3%)

4/20(金) 
 G20財務相・中央銀行総裁会議(ワシントン)
07:45 (米) メスター米クリーブランド連銀総裁、講演
08:30 (日) 3月 全国消費者物価コア指数 前年比 (2月 1.0%、予想 0.9%)
13:30 (日) 2月 第三次産業活動指数 前月比 (1月 -0.6%、予想 0.0%)
15:00 (独) 3月 生産者物価指数 前月比 (2月 -0.1%、予想 0.2%)
22:40 (米) エバンス米シカゴ連銀総裁、講演
23:00 (欧) 4月 消費者信頼感 速報 (3月 0.1、予想 -0.1%)

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