<< 東京市場の動き >>
週明け9日の東京市場は、ドルが小高い。値動きそのものは40ポイント未満に留まるなど、小幅だったが終盤にかけてドルは買い進められ、107円台を回復している。
早朝の時間外取引では、やや円高に振れる局面も観測されたが、寄り付きは先週末のNYクローズに近い106.90-95円。ちなみに、早朝時間外の円買いには、週末にWSJ紙が報じた「米政権、輸入車のみ環境規制強化を検討」とのニュースが材料視されていたという。
寄り付き後は、おおむね106.80-107.00円の一進一退をたどるなか、終盤にかけて107.10-15円へと小幅に値を上げた。16時時点でも、ドルはほぼ同水準の高値圏で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「米中貿易戦争の行方」と「北朝鮮情勢」。前者については、先で指摘した週末報道に加え、ブルームバーグによる「習中国国家主席が10日演説、開放約束と貿易威嚇への対抗表明か」との報道が観測されていた。
対する後者は、CNN「北朝鮮、平壌での米朝首脳会談開催を希望」、読売新聞「北委員長、体制保証が先と米に条件」、NHK「北朝鮮、米に朝鮮半島非核化 協議の用意あると伝達」−−との報道のほか、韓国高官から「米朝間接触は、いまのところうまくいっている」との発言も報じられている。
<< 欧米市場の見通し >>
マーケットを取り巻く材料は幾つもあるが、とくに関心が高いのは引き続き「米中」を中心とした「世界的な貿易戦争」への懸念。もちろん、衝突回避に向けて現場などは動いているものの、一方でトランプ大統領をはじめとする米中ともに首脳クラスから強固な発言も聞かれており、予断は許さない。そうした意味では、ブルームバーグが報じた「習中国国家主席が10日演説、開放約束と貿易威嚇への対抗表明か」とのニュースは気にかかる。NYダウやナスダックなど米株が底堅く推移すればドルの支援要因となろうが、「戦争懸念」を嫌気し、仮に崩れるようだと為替市場もドル売りが再び進行することになりかねないだろう。
テクニカルに見た場合、本日は107.20-25円に位置する一目均衡表の先行帯の雲の下限をめぐる攻防が注視されている。3月26日安値の104.57円をボトムにドルは戻り歩調にあるものの上値も重く、ここ数日は一目の雲の下限が抵抗として寄与している感を否めない。さらなるドルの戻り高を達成するには、ザラ場ベースはもちろん、NYクローズでも雲の下限をしっかりと上回りたいところだ。
なお、一目の雲の下限を上抜けた場合の次の上値メドは、フィボナッチの観点で見た年初来高値を起点とした下げ幅の38.2%戻しに当たる107.95円レベルとなる。
一方、材料的に見た場合、国際通貨基金(IMF)が「世界経済見通し」を発表するものの、米経済指標の発表はとくに予定されていないなど、新規の手掛かり材料に乏しい。やや動きにくい雰囲気も。
しかし、コンスタンシオECB副総裁やプラートECB理事といった欧州要人の講演が予定されているほか、日本でも「黒田日銀総裁が17時50分から安倍首相らと会談」するうえ、19時には総裁再任会見が見込まれている。それらにも一応の注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、106.50-107.70円。ドル高・円安方向は、一目の雲の下限が位置する107.20-25円が最初の抵抗で、抜ければフィボナッチの観点で見た107.95円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、先週末のNY安値106.75-80円をめぐる攻防にまずは注視。割り込んできた場合には移動平均の25日線や一目の転換線が位置する106.25-40円が意識されそうだ。(了)
オーダー/ポジション状況
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