ドル円レンジ取引続くただ株価の動きに要注意(3/1夕)

1日の東京市場は、106円後半の往来相場。値幅30ポイント強という狭いレンジ内での上下動で、目立った方向性を示せなかった。

ドル円レンジ取引続くただ株価の動きに要注意(3/1夕)

<< 東京市場の動き >>

1日の東京市場は、106円後半の往来相場。値幅30ポイント強という狭いレンジ内での上下動で、目立った方向性を示せなかった。

ドル/円は、106.65-70円で寄り付いたものの、新規材料に乏しいこともあり、積極的な動意に欠ける。日経平均株価が一時400円を超える下落、終値ベースでも前日比343円安で大引けたものの、前日のようなリスク回避の動きは限定的だった。
結局、終日を通して106.55-85円といった30ポイントほどに留まる往来相場のまま、16時時点では106.75-80円で推移し、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたもののひとつは、「日本の要人からの発言」。幾つか例を挙げると、安倍首相による「いままでの黒田総裁の政策は間違っていない」、片岡日銀委員は「強力な金融緩和をさらに進めていく必要がある」、黒田日銀総裁「大幅な緩和を続けてきた結果、成長率はプラスを継続」−−などといった発言が聞かれていた。
そのほか、文韓国大統領から「慰安婦問題、日本が『終わった』と言ってはいけない」「竹島は日本に占拠されたわが領土」との発言があり、それに対して菅官房長官が「日韓合意に反し、極めて遺憾だ」と述べ、外交ルートを通じて抗議したことを明らかにしている。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場はレンジ取引が続いている。一参加者としては、早く動意付く展開を望んでいるが、昨年からの相場を振り返ると、12月から今年1月にかけて観測されたように、2円未満のレンジ取引が3週間から1ヵ月程度続くということも少なくない。今回も、ボックス相場が意外に長期化する可能性もある。
ただ、このあとの欧米時間、材料的には今週2度目のパウエルFRB議長の議会証言(前回は下院、今回は上院)が行われるほか、注目要因も多い。また、危機的状況までは至っていないが、昨日NYダウ大幅安に続き、日経平均も急落するなど株価が再び不安定になりつつあることも気掛かだ。「ドル/円はレンジ取引が続く」との決め打ちは早計であるのかもしれない。

テクニカルに見た場合、先月20日以降、106.30-107.90円というレンジを形成しており、そのなかでの上下動となっている。カレンダー的にはおよそ7-8日間、レンジ取引が続いている計算だ。
前述したように、昨年の事例を紐解くと、2円程度のボックス圏内でもっと長く推移した事例も多いだけに、今回もいましばらくレンジ取引が続く可能性もある。ただ、昨年12月から今年1月にかけてのケースでは、ボックスを下方向に放れたのち、5円以上もドル安・円高が進行していた。今回についても、ブレークした場合には一気に値が飛ぶことも予想されるだけに、「いつか」に向けてしっかりと注意を払っておきたい。

一方、材料的に見た場合、1月のPCEデフレーターや2月のISM製造業景況指数といった米経済指標の発表が予定されているうえ、パウエルFRB議長による上院銀行委員会で半期に一度の証言、ダドリーNY連銀総裁の講演なども実施される見込みだ。発表された米経済指標や要人発言がレンジ放れの起爆剤になる可能性もある。
また、昨日取り上げた「トランプ政権をめぐるゴタゴタ」は、そののちさらに様相は拡大しているようだ。実際、「トランプ氏側近、ホワイトハウス広報部長が退任」、「トランプ米大統領が、ツイッターでセッションズ司法長官に対する批判を展開」−−などといった報道が観測されている。動静には引き続き要注意だろう。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、106.20-107.40円。ドル高・円安方向は、107円レベルが最初の抵抗で、抜けた場合には2月27日高値の107.65円、レンジ上限である107.90円レベルなどがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日NYから本日東京時間に揉み合った106円半ばの攻防にまずは注視。また、そのスグ下106.35-40円には直近安値も位置している。意外に底堅いイメージも。(了)

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る