<< 東京市場の動き >>
23日の東京市場は、ドル高・円安で一時107円台を回復している。ただ、値動きは40ポイント強に留まるなど、全般的には小動きだった。
ドル/円は106.70-75円で寄り付いたのち、ドルがじり高推移。週末を控えた実質的なゴトー日に当たることでの需給要因、仲値不足観測などがドル高・円安に寄与していた面もあったという。
ただ、107円手前でいったん上げ渋る展開となり、一時は揉み合いの様相を呈したが、大引け近くになり再びドル買いが進展。107円台を回復すると、16時時点では107.05-10円で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたもののひとつは、本日も「北朝鮮情勢」。朝鮮日報が五輪閉会式参加にともなう「イバンカ氏と女性脱北者の対面、直前で白紙に」、ロイターは「米国が北朝鮮への新たな制裁を23日に公表」と報じていた。
そのほかでは、麻生財務相から「いまの日銀の政策を維持していただくのは極めて大事」、ユンケル欧州委員長による「イタリア総選挙の最悪の事態にも対応」との発言が聞かれたほか、ロイターは「大統領と対立の米政権幹部2人が辞任の可能性」と報じ、物議を醸していた。
<< 欧米市場の見通し >>
今月16日にドル安値105.55円まで下落した流れ、大きなドル安基調は継続していると思われるが、短期的にはやや方向性を喪失している感を否めない。105.55円記録後108円近くまで戻したような「価格調整」から足もとは「時間調整」へと様相が変化したようで、いましばらくのあいだ107円台を中心とした一進一退、次の方向性を探る展開をたどる可能性もありそうだ。
ただ、今週末に平昌オリンピックが閉会することにあわせた米韓あるいは南北朝鮮などの要人会談が予定されるなど、五輪の場を借りた政治的な要因が相場の波乱要因になるとの見方も聞かれていた。週末の材料次第で、来週はじめの為替市場は再び荒れ模様の寄り付きとなる危険性もないではない。
テクニカルに見た場合、2月高値110.48円を起点としたフィボナッチの半値(50.0%)戻しである108円に届かず、ドルは小緩む展開となっている。再びドル買いが進行した場合には、まずは同レベルが目先のドルの抵抗となりそうだ。
それに対してドルのサポートは、本日の東京安値も近い106円半ば。つまりは、106.50-108.00円といったボックス内での変動が予想されており、本格的な変動は来週に持ち越される公算が大きいとの見方が有力だ。
一方、材料的に見た場合、とくに目立った米経済指標の発表などは予定されていないが、反面でダドリーNY連銀総裁を筆頭に、ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁などの講演が実施される見込みで、それらは要注意。
ちなみに、米地区連銀関係者の発言については、来週28日に予定されているパウエルFRB議長の初議会証言を見極める材料になるとの指摘も聞かれていた。米利上げについては、やや楽観的な見通しが有力なだけに、弱気なコメントが出た場合には失望のドル売りに押される可能性もある。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、106.60-107.70円。ドル高・円安方向は、一目均衡表の基準線が位置する107.20円レベルが最初の抵抗で、抜けた場合には、フィボナッチの61.8%戻しなどにあたる108円レベルがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の106.60円レベルや106円前後などがサポート。割り込めば105.55円の年初来安値が再び視界内に捉えられそうだ。(了)
オーダー/ポジション状況
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