<< 東京市場の動き >>
週明け19日の東京市場は、ドル高・円安。上げ幅そのものは大きくなかったが、夕方にかけて上昇幅を拡大させ、ドルの高値圏で大引けている。
ドル/円は静かなスタート。先週末のNYクローズと大差ない106.30-35円レベルで寄り付いた。そののち、しばらくは106.10-35円程度のボックス相場となったものの、レンジを上抜けると夕方にかけては106.60円レベルと、日中高値を記録している。前週末比183円高で寄り付いた日経平均株価が続伸し、終わってみれば429円高となったことなどが好感されていたという。
ドルは高値示現後やや上げ渋るも底堅く、16時時点でのドル/円は106.50-55円で推移し、欧米時間を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたもののひとつは、週末からの「北朝鮮情勢」。労働新聞が「安倍首相の五輪開会式出席を非難」するなか、韓国大統領から「北朝鮮との首脳会談開催は時期尚早」との発言、韓国大統領府が「朝日新聞による“南北が昨年平壌で接触”との報道は誤報」と発表、「小野寺防衛相が米陸軍制服組トップと会談、北へ圧力継続で一致」との報道などが観測されている。
そのほかでは、有力欧米紙であるWSJによる「FRB議長、シニアアドバイザー2人を指名」、時事通信が「トランプ米大統領がツイート14連発、ロシア疑惑捜査に反撃」と報じ、一部で話題となっていた。
<< 欧米市場の見通し >>
ドルは先週末に安値105.55円をつけたあと、1円以上の反発を記録、本日東京では106.60円レベルまで値を戻してきた。1月8日に記録した年初来高値113.38円を起点と考えた場合でも、1ヵ月強のあいだに8円近いドル安・円高が進行しただけに、足もとは断続的な調整が入っている格好だ。
ただ、先で指摘したように8円下げたにもかかわらず、戻りはまだ1円に過ぎず、そう考えるといま少しドルは戻っても不思議はないだろう。本日はプレジデンツデーでNYが休場となるなか、ドルのさらなる戻りを試す可能性もある。
テクニカルに見た場合、足もとのドルは戻り歩調。先週末に安値105.55円を記録したときには、移動平均200日線(111.45円レベル)との乖離が5%を超えた「危険ゾーン」に突入、その後のドル反発で危機は回避したが、それでも依然として乖離が大きいままだ。ドルがさらなる戻りを試す展開には一応要注意。
なお、この先のドルのレジスタンスは、フィボナッチを参考に2月高値を起点とした下げ幅の23.6%戻しに当たる106.70円レベル、38.2%戻しの107.40-45円、一目均衡表の転換線が位置する107.65-70円などとなる。
一方、材料的に見た場合、本日はNYならびにカナダ市場が休場になることで、目立った材料は予定されていない。そうした意味では、やや動きにくいイメージか。
しかし、先週末には昨年6月のサイバー攻撃や米大統領選介入疑惑について、米露がバチバチとやりあっていたうえ、米中も米による「すべての国から24%の鉄鋼関税徴収検討」を受け、中国が即座に「実施なら報復措置」と発表するなど、様々なところで対立が深くなってきたことが気掛かり。状況の悪化がさらに鮮明化すれば、リスク回避の円買いなどに再び傾斜する可能性もある。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、106.10-107.20円。ドル高・円安方向は、106.80-90円に弱い抵抗があり、抜ければ107円台回復も。ただ、107円台からは複数のチャートで抵抗が相次ぐなど上値は重そうだ。
対するドル安・円高方向は、106円前後が最初のサポートで、割り込めば年初来安値の105.55円が再び視界内に。ただ、目先に限れば、下値リスクはさほど高くなさそう。(了)
オーダー/ポジション状況
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