<< 東京市場の動き >>
週明け5日の東京市場は、小幅にドル安・円高。日経平均株価が終値ベースで前週末比592円安と大幅に続落したことなどが嫌気され、リスク回避の動きが優勢だった。
前週末にNYダウが大幅安で引けたことが警戒され、ドル/円は早朝の時間外取引などからやや円高傾向。寄り付きこそ110.15円でNYクローズレベルを維持したが、案の定、日経平均株価が連れ安に推移したこともあり、ドル/円も全般的に冴えない値動き。一時109.80円レベルまで値を崩す局面も観測されていた。
日中安値からは、さすがに回復したが上値も重く、110円台乗せが精一杯。16時時点では110.00-05円で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたもののひとつは、「北朝鮮情勢」。聯合ニュースが「韓国大統領、北朝鮮・金永南氏と個別会談を検討」と報じていたほか、同じ聯合ニュースは別に「北朝鮮は数十億ウォン相当の仮想通貨をハッキングし盗む」とも伝えており、一部で話題となっていた。
そのほか、安倍首相による「日銀が大胆な金融緩和を続けることを期待」、黒田日銀総裁からは「物価2%は道半ば、粘り強く緩和を続ける必要ある」との発言が聞かれている
<< 欧米市場の見通し >>
先週24日以降形成していたボックス相場の上限である109.80円レベルを先週末に上抜けてきたものの、値は走らず110円前後で上げ渋り様相となっている。「しっかり抜けた」とは言えず、ドルの下値不安は依然としてくすぶったままだ。
そのひとつの要因として指摘されるのが、米国を中心とした各国株価への懸念。日経平均株価が大きく続落したことは前述したが、東京時間に時間外で取引されていたNYダウも一時150ドルを超える下げを見せるなど、冴えない値動きだった。米長期金利が上昇しているとはいえ、株価がさらに崩れるようだと、為替市場が再びドル売りに傾斜しても不思議はないだろう。
テクニカルに見た場合、先月11日以降、ドルの抵抗として寄与し続けてきた一目均衡表の転換線を、先週末にNYクローズでしっかりと上回ってきた(本日は109.35-40円に位置)。ドルの強気派にとっては好材料かも知れない。
ただ、110.80円前後には移動平均の25日線や一目の基準線など複数のレジスタンスが位置しており、上値も重そう。それら抵抗を抜けるには、さらなる材料が必要との指摘も聞かれるなど、少なくともイケイケドンドンでドルが続伸していくような雰囲気でもないようだ。
一方、材料的に見た場合、1月の総合PMI確報や同ISM非製造業総合指数などの米経済指標が発表される予定となっており、それらは当然要注意。
ただ、本日は米国ファクターよりも欧州ファクターに注意を払いたい。そのひとつは、昨4日に決着がつかず5日に協議が持ち越された「ドイツ大連立交渉」の行方。決裂すれば、解散・総選挙が避けられず、ユーロの弱材料となることは確実だ。右肩上がりのユーロ/ドルが急反落−−などといった展開をたどらないとも限らない。また、「英国のEUからの離脱をめぐって、5日ロンドンで首席交渉官の会合が開かれる」と報じられており、こちらの動きも気にかかる。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、109.40-110.50円。ドル高・円安方向は、先週末のドル高値110.48円レベルが最初の抵抗で、抜ければ複数のチャートで抵抗が位置している110.80円前後などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日の東京安値であり、先週末の米雇用統計発表前後のレベルでもあった109.75-80円や、一目の転換線が位置する109.35-40円などの攻防を注視している。(了)
オーダー/ポジション状況
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