<< 東京市場の動き >>
週明け29日の東京市場は、おおむね揉み合い。108円後半におけるレンジ取引で明確な方向性は乏しかった。
ドル/円は先週末のNYクローズと大差ない108.65-70円レベルで寄り付いたものの、積極的な動意に欠ける展開。当初はNZのウエリントン市場が休場になったためと言われていたが、東京などアジア市場がオープンしても大きな変化は見られなかった。結局、108円後半の50ポイント弱のレンジ取引に終始したまま、16時時点では108.80-85円で推移、欧米時間を迎えている。
なお、先週末にコインチェックによる資金流出のニュースが報じられた仮想通貨だが、ビットコインは小幅安にとどまり、それほど大きな影響は見られていない。
一方、材料的に注視されていたもののひとつは、「米国ファクター」。とくに貿易スタンスについての疑心暗鬼が取り沙汰されるなか、英テレビ局ITVは、トランプ米大統領がインタビューで「EUの対米通商政策は非常に不公平」との見方を示したと報じ、物議を醸していた。
また、それとは別にロイターが「財務省・金融庁・日銀、夕方に3者会談実施へ」と報じ、こちらも思惑を呼ぶ結果に。
<< 欧米市場の見通し >>
流れとしては、引き続きドル安方向にバイアスがかかるも、目先は下げ渋りを指摘する声が聞かれ始めている。確かに、今月高値113.39円を起点と考えても、下落期間はおよそ2週間に及び、そのあいだの下げ幅は5円以上になることで、ポジション的にもやや偏りが感じられるようになってきた。油断は禁物だが、短期的には調整の動きが強まっても不思議はないだろう。
とは言え、110円の壁をすんなり超えていく展開を予想する向きは少なく、ドルの上値は重そうとの見方が有力だ。
テクニカルに見た場合、一目均衡表の転換線がドルの戻りを阻んでいる感を否めない。ちなみに、転換線は本日109.85-90円に位置している。本稿執筆時レベルからすると、1円以上も上で、スグに到達するとは思われないが、ともかく、ドルが堅調に推移した場合のレジスタンスとして意識される存在となりそうだ。
それに対して下方向は、東京安値の108円半ばが弱いサポートだが、割り込むと前回安値の108.28円がターゲットに。
一方、材料的に見た場合、12月の個人所得や同PCEデフレーターといった幾つかの米経済指標が発表される見込みで、それらは要注意。
しかし、本日に限れば米国よりも欧州関係で注目材料が少なくないようだ。最たるものは、「EU27ヵ国閣僚が英EU離脱の交渉指針決定のための会合」が実施されることだが、ドイツの連立交渉なども気掛かり。ちなみに、後者については26日から交渉協議が始まるなか、「1週間以内」に決着する方針を固めたと報じられている。また、スペイン・カタルーニャ州の州政府首相をめぐる動きなどにも注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.40-109.70円。ドル高・円安方向は、東京高値に当たる109円レベルが最初の抵抗で、抜ければ109円半ば、先週末高値の109.75-80円などを目指す展開となりそうだ。ただ、ドルの上値は重そう。
対するドル安・円高方向は、東京安値の108円半ばが弱いサポートだが、割り込むと前回安値の108.28円、そして昨年9月安値107.32円がいよいよターゲットに。(了)
オーダー/ポジション状況
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