ドル円見通し 110-112円の新レンジ形成の感も(1/19夕)

19日の東京市場は、小幅にドル安・円高。寄り付きは111円台だったが維持できず、再び110円台へ軟落する展開となっている。

ドル円見通し 110-112円の新レンジ形成の感も(1/19夕)

<< 東京市場の動き >>

19日の東京市場は、小幅にドル安・円高。寄り付きは111円台だったが維持できず、再び110円台へ軟落する展開となっている。

ドル/円は111.05-10円で寄り付いたものの、大きな動意なし。しかし、株価や時間外で取引されている米長期金利の動きなどをにらみつつドルの上値は重く、逆に下値をじりじりと切り下げた。終日を通し110.80-111.15円といった40ポイントにも満たないレンジ取引に終始したものの、全般的にドルは冴えない。16時時点では110.80-85円の日中のドル安値圏で推移し、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたもののひとつは、「米債務上限問題」絡みのニュース。トランプ米大統領から「米政府機関閉鎖の可能性はかなり高い」との発言が聞かれるなか、マーケットの反応はいまひとつだったが、「米下院、暫定予算案を可決し上院に送付」とのニュースが報じられていた。また、「ホワイトハウスがFRB副議長候補にサンフランシスコ連銀総裁を検討」との報道も一部で話題に。
それとは別に、引き続き「北朝鮮情勢」も注目材料のひとつ。たとえばロイターは、北朝鮮の在ジュネーブ国連代表部のチェ氏が、16日に行われた北朝鮮の核・ミサイル問題をめぐる米国主導の外相会合について「挑発行為」だと非難したと報じていた。

<< 欧米市場の見通し >>

先週10日、112円を下限としたボックス圏を下放れたものの、それほど値は走らず、ドルの安値は110円前半まで。その後の値動きを見ると、上値は重いが下値も堅く、110-112円という新たなボックス圏を形成している感もうかがえる。期待も込めて、是非とも動いてほしいと思うが、残念ながら前述したボックス圏内での値動きがいましばらくのあいだ続く可能性もありそうだ。

週末ということで、週足観点のテクニカルを見た場合、前週に割り込んだ一目均衡表の先行帯の雲にどっぷりとはまっている。短期的な方向性はやや乏しい。
なお、目先の抵抗は一目の基準線が位置する111.00-05円だが、その上のレベル、同じ一目の雲の上限が位置する111.70-75円から112円にかけては移動平均を含めて複数の抵抗が集中しており、ドルの上値はかなり重そうだ。対するドルのサポートは、直近のドル安値110.19円や心理サポートの110円ちょうどなどとなる。

一方、材料的に見た場合、1月のミシガン大学消費者信頼感指数速報が発表されるほか、アメリカン・エキスプレスなどによる決算発表も予定されている。また、クオールズ銀行監督担当副議長の講演も注意する必要があるだろう。
また、前述したように「米下院、暫定予算案を可決し上院に送付」との報道があったものの、引き続き「米債務上限問題」については予断許さず。なんといっても19日、本日が「米暫定予算の期限切れ」にあたるため、場合によっては、トランプ米大統領が懸念する「一部政府機関の閉鎖」が現実のものとなることも否定出来ない。その場合、為替市場もドル売りなどで反応しそうだ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.20-111.40円。ドル高・円安方向は、本日の東京高値111.20円が最初の抵抗。ただ、抜けても移動平均の200日線が位置する111.70-75円をはじめ、日足・週足ともに111円後半のテクニカルポイントは多く、上値は重そう。
対するドル安・円高方向は、110.60-70円前後に弱いサポートが位置しており、割り込めば直近安値の110.19円がターゲットに。ただ、110.00-20円もサポートが多く、思いのほか底堅いイメージも。(了)

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