ドル円半値戻しに届かず18日昼高値で戻り一巡?(1/19)

18日午後、中国の2017年通年のGDP伸び率が6.9%となり、7年振りの前年比上昇となったことでリスクオン心理から米国債が売られ、

ドル円半値戻しに届かず18日昼高値で戻り一巡?(1/19)

【概況】

1月8日高値113.38円から1月17日午前安値110.19円まで7日間、3.19円幅の下落であった。110円割れを時期尚早として戻し、18日未明の米地区連銀報告(ベージュブック)が景気拡大と労働需給のひっ迫感を示す強い内容だったことからドル高反応となって上昇、18日昼には111.48円まで戻した。17日安値からの戻り幅は1.29円幅で、1月8日からの下落幅に対しては凡そ40%戻しであったが、半値戻しの111.77円には届かなかった。
18日午後、中国の2017年通年のGDP伸び率が6.9%となり、7年振りの前年比上昇となったことでリスクオン心理から米国債が売られ、10年債利回りは2.63%へ上昇、昨年3月以来10カ月ぶりの高水準となったが、ドル円への反応は限定的だった。
それよりも19日で暫定予算の期限切れとなる米連邦予算について議会の承認が進んでいないことへの懸念からドル安となり、深夜から19日未明へ下落して110.688円の安値をつける場面があった。その後は111円超えまで戻したものの、19日朝時点では111円を挟んだ小持ち合いとなっている。

【米経済指標】

米経済指標はさほど強くなく、市場の反応は限定的だった。
米商務省が発表した12月の住宅着工件数は季節調整後の年換算で119万2000戸となり、前月比8.2%減少、市場予想の127万5000戸を下回った。先行指標の住宅着工許可件数は130万2000戸(同0.1%減少)となり、市場予想の129万戸を上回った。
米フィラデルフィア連銀の1月製造業景況指数は22.2となり前月の27.9から低下、市場予想値の25.0を下回った。
米労働省が発表した週間新規失業保険申請は22万件となり前週比4万1000件減少、市場予想の25万件を下回った。

米クリーブランド連邦準備銀行のメスター総裁(タカ派、FOMCの投票権あり)はNYの講演で「トランプ政権の減税策が短期的に経済を押し上げるため、今年と2019年は昨年のようなペースでの利上げが必要だ」と述べた。同総裁は今年の成長率を2.5%前後とし、昨年末に成立した税制改革法による大型減税での景気押し上げ効果が2、3年は続くとの見通しを示した。12月のFOMCに沿った内容であり、特にサプライズはない。
1月30日、31日に次回FOMCが開催されるが、そこでは金融政策を現状維持と予想されるが、3月会合では今年1回目の利上げが決定されるだろうと市場は予想している。

【60分足一目均衡表・RSI・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・RSI・サイクル分析】

ひとまず110円割れを回避して戻したが、現状では半値戻しに届いていない。
1月16日高値を上抜いたものの、11日高値111.87円、12日深夜高値111.69円には届かずにいる。

60分足の一目均衡表では1月9日の下落で先行スパンから転落し、その後も転落状態で推移してきたが、18日未明の反騰で先行スパンを突破した。18日深夜の反落でも先行スパンからの転落を回避しているが、遅行スパンは悪化している。先行スパンはこの先、110.80円台から111.10円台にかけて停滞しているので、110.80円割れへ進まない内は転落回避で17日からのリバウンドを継続する可能性があるが、転落へさほど余裕がないので、転落し始める場合は下げ再開注意、19日未明安値110.70円割れからは弱気転換と仮定して再び先行スパンを上抜き返せない内は安値試しを優先する。

60分足の相対力指数は1月10日以降、相場が安値を切り下げる中で指数のボトムが切り上がってきたが、その切り上がりの支持線が40ポイント台序盤にあるので、40ポイント割れしてくる場合は指数自身の支持線割れによる下げ再開感が強まるとみる。その場合は30ポイント以下への下落を想定する。

概ね3日から5日周期の高値・安値形成サイクルでは二通りの解釈ができる。
一つは16日安値と17日安値をダブル底としたリバウンド入りとする見方。このケースでは16日高値を基準として高値形成期を19日から23日の日中にかけての間とするため、19日未明安値割れ回避の内はもう一度18日高値試し、あるいは高値更新の可能性がある。もう一つは、11日午後高値を前回のサイクルトップ、17日午前安値を同サイクルボトムとして戻したが、11日高値から5日目となる18日昼高値で既にサイクルトップをつけてしまい、下落期に入っているという見方だ。このケースでは18日高値を超えられない内は一段安警戒が優先され、19日未明安値割れからは弱気サイクル入りと仮定して次の安値形成期となる22日から24日にかけての間へと17日安値割れへ向かう可能性が想定される。
いずれの場合も、19日未明安値割れからは、17日底からの安値切り上がりが崩れるため弱気転換注意として17日安値試しとし、底割れの場合は弱気サイクル入りによる一段安開始と考えられる。

以上を踏まえ、当面のポイントを示す。
(1)19日未明安値110.70円を支持線、111.20円を抵抗線とみておく。
(2)110.70円割れ回避の内は111.20円超えから上昇再開とし、18日高値111.48円試しを想定する。その場合は当初、18日高値前後でのダブルトップ形成による弱気転換注意とするが、高値更新から続伸する場合は半値戻しの111.77円前後まで上値目処を切り上げる。また111円台を維持する内は週明けへの上昇継続余地ありとする。

(3)110.70円割れからは弱気サイクル入りの可能性を優先して17日安値110.16円試しへ向かうと仮定する。110円台序盤ではいったん買い戻しも入りやすいが、底割れの場合は18日への戻り幅の倍返しの108.84円前後まで下値目処が切り下がる可能性ありとする。また底割れに至らない場合でも110.70円以下で終了なら週明けは一段安警戒とみる。(了)<10:20執筆>

【当面の主な予定】

1/19(金)
22:45 (米)ボスティック・アトランタ連銀総裁、講演
24:00 (米) 1月ミシガン大消費者信頼感指数速報 (12月 95.9、予想 97.0)
27:00 (米)クオールズFRB副議長講演、ワシントン
米連邦政府暫定予算期限切れ

1/21(日)
19:00 (独)ドイツ社会民主党(SPD)、連立協議継続の是非を問う臨時党大会

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