<< 東京市場の動き >>
16日の東京市場は、小幅ながらドル高・円安。前日にしっかりと下回った111円レベルの回復をうかがう局面も観測されていた。
前日NYの流れを継ぎ、ドル/円は110.50-55円で寄り付いたのち、ドルの買い戻しが優勢。昼過ぎには110.95-00円の日中高値を記録した。米金利が上昇したことに加え、前日比6円高で寄り付いた日経平均株価が急伸し、大引けベースでは同236円高となったことが材料視されていたという。
しかし、111円レベルでは売りも厚く、さすがに上げ渋ると、その後はやや調整売りに押される展開。16時時点では110.80-85円で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたもののひとつは、本日も「北朝鮮情勢」。現地時間16日にカナダで「北朝鮮の問題をめぐる関係国外相会合」が実施されることにあわせ、「日加」など会合に参加する2ヵ国あるいは3ヵ国の個別外相会談が相次ぎ行われたようで、それにともなうコメントなども幾つか観測されている。
また、それとは別に米紙ウォールストリート・ジャーナルが報じた「ECB総裁の後継者レース、早くも幕開け」とのニュースや、麻生財務相が「為替は急に上がったり下がったりすることが 一番問題だ」と述べたものの、為替動向や水準については言及を避けたことなども一部で話題となっていた。
<< 欧米市場の見通し >>
11月安値110.84円など、下方向のテクニカルサポートを次々に割り込んできたこともあり、基本的なリスクは下方向。フィボナッチの観点で見た強いサポートの110.15円や心理サポートに当たる110円レベルを割り込むようだと、下げが再び加速しかねないだろう。
ただ、今月8日の直近高値から1週間で3円近くドルは下落するなど、ポジション的にはだいぶこなれた感もあるうえ、短期的な達成感を指摘する声も聞かれていた。上値は重そうだが、目先はいま一段のドルの戻りにも注意を払いたい。
テクニカルに見た場合、ドルの下値リスクが高そうだが、それほど強い圧力は感じない。昨年9月安値107.32円を起点とした上げ幅のフィボナッチ61.8%押しに当たる110.15円や、心理サポートの110円などが強力な下支えとなりそうで、なし崩し的なドル安の進行は予想しにくいかもしれない。
むしろ、短期的には、ここ最近、何故か求心力が極めて高い移動平均の200日線(111.70円レベル)をメドに、一時的なドルの反発を見込む声も聞かれ始めている。目先は調整の継続にも一応要注意。
一方、材料的に見た場合、1月のNY連銀製造業景況指数が発表されるほか、シティ・グループの決算発表もされる予定となっている。それらはまず要注意。
また、前述したようにカナダで20ヵ国近くが参加する「北朝鮮の問題をめぐる関係国外相会合」が実施される見込みだけに、そこでの議論ならびに、会合に対する北朝鮮の反発度合いなども注目されている。北がすぐにミサイル発射に動くことは予想しにくいものの、韓国でのオリンピックが間近に迫っているだけに、仮に態度を硬化させるようだと為替市場もリスク回避の動きなどから荒れた値動きをたどる可能性がある。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.30-111.50円。ドル高・円安方向は、本日東京高値の110.95-00円レベルが最初の抵抗で、抜ければ移動平均の200日線が位置する111.70円レベルがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、直近安値の110.33円をめぐる攻防がまずは注視されており、割り込むようだとフィボナッチで見たサポートである110.15円や110円などを目指す展開か。(了)
オーダー/ポジション状況
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