過去1週間のレンジ下限割り込む、続落も
28日の東京市場は、ドル安・円高。それも、「寄り付き高・大引け安」の展開で、ここ1週間ほどのドル下値、113.10円を割り込み、112円台へと足を踏み入れている。
ドル/円は113.20-25円で寄り付いたのち、しばらくは揉み合い。113.15-25円といった凪症状が続いたものの、113.10円レベルを割り込むと、下げが一気に加速した。昨日までとは一転し、期末の需給要因がドル余剰に傾斜したと見られるなか、前場引けが前日比34円高となっていた日経平均株価が、後場に入りマイナス圏へと落ち込んだことなどが嫌気されていたという。
夕方にかけて、112.75-80円まで値を下げたところでさすがに下げ止まるも上値は重い。16時時点でも、112.75-80円の日中最安値で推移、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたもののひとつは、「北朝鮮情勢」。ナウアート米国務報道官から、26日に実施された米露外相の電話会談について、「北朝鮮の核開発問題に対処するために外交努力を継続することで一致した」ことが明らかにされるなか、米CNNが「北朝鮮がミサイル発射の準備、初期の兆候を確認」と報じ、物議を醸していたという。
また、それとは別に、文韓国大統領から「日韓慰安婦合意では問題を解決できない」などとする発言も聞かれていたようだ。
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25日のクリスマスを挟み、前後1週間ほどは113.00-70円という1円にも満たないボックスを形成、方向性の乏しい値動きをたどってきたが、本日の東京時間に、その下限を割り込んできた。まだザラ場で割り込んだだけであり、いわゆる「ダマシ」の可能性も否定出来ないだけに、「さらにドルが続落するのか」、そして「NYクローズでも113円を下回るのか」といった点を注視してみたい。
なお、テクニカルに見た場合、112円台にドルのサポートは多く存在していることもあり、大きく崩れることはなさそうだが、112円レベルを仮に割り込むようだと、下げがさらに加速する危険性がある。ドルの続落には注意を払いたい。
テクニカルに見た場合、前述したように過去1週間程度続く、ボックス相場を割り込んできた。リスクは、幾分ドルの下方向にバイアスがかかる。
とは言え、12月4日以降のボックス圏、112.00-113.75円はいまだ維持しており、まだ明確な方向性が示されたわけではない。このままドルが続落し、大雑把にいって12月以降のボックス相場の下限、112円レベルも下回ることが出来るのか否かが、先々の動きを見極めるうえでポイントのひとつとなりそうだ。
一方、材料的に見た場合、12月のシカゴ購買部協会景気指数をはじめ、幾つかの米経済指標の発表が予定されているだけでなく、米財務省による7年債入札なども実施される見込みだ。それら要因は当然要注意。
また、12月の営業日も残り2日ということで、最後の最後、駆け込み的な為替手当て、広義の需給要因にもしっかりとした注意を払いたい。事実、昨日そして本日の東京時間は、需給要因が相場の波乱要因となっていた感も否めない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、112.30-113.60円。ドル高・円安方向は、本稿執筆時に絡む値動きとなっている移動平均の25日線(112.70円レベル)、一目均衡表の転換線が位置する112.95-00円などの攻防にまず注視。抜ければ、昨日高値の113.40円レベルがターゲットとなりそう。
対するドル安・円高方向は、11月安値110.84円を起点とした上げ幅の半値戻しにあたる112.30円レベルが最初のサポートとなりそう。割り込むようだと、12月以降のボックスの下限に当たる112円レベルが視界内に。(了)
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