<< 東京市場の動き >>
週明け27日の東京市場は、一時ドル買いが進行するも「行って来い」。ただ、形成レンジも狭く、明確な方向性が示されるほどの値動きにはならなかった。
先週末のNYを111.50-55円で大引けたドル/円は、上方向にわずかなギャップを空けて安寄り、111.45-50円で寄り付いた。しかし、そののちは日経平均など株価の動きをにらみつつドルが上昇、111.70円レベルの日中高値を記録している。
ただ、ドル高傾向は続かず、じり安をたどると寄り付きレベルを下回る111.30-35円まで軟落。16時時点では111.40-45円で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたもののひとつは、米税制改革をめぐる動き。トランプ米大統領は自身のツィッターに「法案はどんどんよくなっている」「米国にとって極めて重要となる減税や他の多くのことをめぐって特別な週になる」と投稿したほか、米ホワイトハウスから「トランプ米大統領は上院財政委員会メンバーと27日に会合を開く」との発表も観測されていた。
また、それとは別に、ドイツの政権運営も引き続き話題。メルケル独首相から「第2党のドイツ社会民主党との連立協議を歓迎」とのコメントが聞かれるなか、ドイツのメルケル首相が率いるキリスト教民主同盟の幹部による「少数与党政権ではなく、過半数を持つ連合だと信じる。つまり大連立だ」との発言も報じられている。
<< 欧米市場の見通し >>
リスクという点では、引き続きドル安方向にバイアスがかかるものの、ここ数日は冴えない値動きが少なくない。新規材料の乏しいことが主因だが、米感謝祭という日柄的なターニングポイントを過ぎたことで、マーケットが徐々にクリスマスモードの色合いを帯び、参加者もジワリと減少傾向にある気もしている。油断は禁物だが、本日は発表される米経済指標などに一喜一憂しつつも、基本的にはレンジ取引。次の方向性を模索する値動きが続く公算が大きそうだ。
テクニカルに見た場合、米感謝祭(23日)以降の相場は111円台での一進一退で、極めて狭いボックス相場となっている。これをテクニカルポイントの観点で言うなら、上値は移動平均の200日線(111.70-75円)が抑制している反面、下値は9月安値107.32円を起点とした上げ幅の半値(50.0%)押し111円前後がドルのサポートとして寄与している感を否めない。
いずれにしても、足もとの111円台のレンジ取引を、どちらの方向にブレークするのか、まずはその方向性に注意を払いたい。
一方、材料的に見た場合、10月の新築住宅販売件数や11月のダラス連銀製造業活動指数といった米経済指標が発表されるほか、米財務省2年や5年債の入札も実施される見込みだ。それらは当然要注意。
また、本日東京時間にも話題となっていた「米税制改革の行方」や「ロシア・ゲートをめぐる問題の進展状況」なども引き続き波乱要因として意識されそうだ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、111.00-111.90円。ドル高・円安方向は、本日東京時間高値も近い、移動平均の200日線が位置する111.70-75円が最初のターゲットで、抜ければ112円前後などを目指す展開か。
対するドル安・円高方向は、フィボナッチ的にも重要な直近安値111円前後の攻防にまずは注目。それらを割り込むようだと、日足・一目均衡表の先行帯の雲の下限が位置する110.70円レベルがターゲットに。(了)
オーダー/ポジション状況
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