<< 東京市場の動き >>
週明け20日の東京市場は、おおむね揉み合い。112円挟みの狭いレンジ内での一進一退、方向性の乏しい値動きに終始している。
ドル/円は前週末のNYクローズとほぼ同レベルの112.10円レベルで寄り付いたものの、新規材料に乏しいこともあり、積極的な動意手控えられた。ザラ場ベースでは一時111.88円レベルをつけ、直近安値を一時更新したものの続かず。結局、終日を通したレンジは111.90-112.20円ほどで、方向性も乏しい。16時時点では112.05-10円で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたもののひとつは、ドイツの政治情勢。「メルケル独首相が推し進めた連立協議が決裂」との報道が観測されており、ユーロにとっての弱材料に。それが対ドルや円を通じて、ドル/円相場にも影響を与えていたという。
それとは別に、安倍首相から「大胆な金融緩和の着実な推進を期待」「日銀はリスク要因を点検し適切に金融政策を行っている」などといった発言も聞かれていた。
<< 欧米市場の見通し >>
テクニカル的に見てドルの下値リスクが高まっているだけでなく、材料的にも「米上院における税制改革の審議難航」観測や「ロシア・ゲート疑惑の捜査拡大」問題、「米株の調整局面入り」懸念−−など、足もとはドル売り材料に暇がない。加えて、米感謝祭前というカレンダー的な要因もあり、断続的にポジションの巻き戻しが入っても不思議はない状況だ。本日の東京時間にはしっかりと割り込むことのできなかった112円レベルだが、キチンと下回ればターゲットは111円前後となり、下げが加速する危険性もないではない。
テクニカルに見た場合、週足では一目均衡表の先行帯の雲の上限や移動平均の52週線などが位置する112.30-40円を先週末のNYクローズで下回ってきた。
そうしたなか、日足では、111.75-80円に位置する移動平均の200日線がサポートとして寄与している感もあり、まずはその攻防が注視されている。割り込むようだと、111円半ばに位置している日足・一目の雲の上限がターゲットに。
一方、材料的に見た場合、10月の米景気先行指数が発表されるものの、基本的には新規材料難か。ただ、前述したようにドイツの政治ファクターが不安要因として急浮上しているだけに、欧州関係の材料にも注意が必要かもしれない。たとえば、「ドラギECB総裁が欧州議会の公聴会に出席」なども場合によっては、相場の波乱要因に。
また、継続案件である「米税制改革の行方」「ロシア・ゲートをめぐる問題の進展状況」などにも引き続き注意を払っておきたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、111.50-112.50円。ドル高・円安方向は、まず本日東京高値の112.20円レベルが最初の抵抗。ただ、抜けても112.30-40円をはじめとしてテクニカルポイントは多く、上値は重そうだ。
対するドル安・円高方向は、本日の東京時間に記録した目先のドル安値111.88円の攻防に注目。ちなみに、フィボナッチにおいても111.90円レベルはなかなか強いサポートだ。割り込んだ場合には200日線が位置する111.75-80円、一目均衡表の雲の上限が位置する111.45-50円などが下値メドに。(了)
オーダー/ポジション状況
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