ドル反発、ユーロはドイツ政局混乱で再度下落
昨晩の海外市場でドルは上昇。週後半に公表される前回のFOMC議事録への警戒感からこのところ低下していた米長期金利がやや戻したこと、昨晩ほぼ唯一の重要指標であった10月の米景気先行指数が予想を大きく上回ったことがドルの支援材料となりました。
東京時間には112円を割り込む水準で取引されたドル円は、海外時間にほぼ一方向で緩やかに上昇、東京時間7:00現在は112.65レベルで取引されています。
一方ユーロは海外時間も荒れ模様。
連立政権樹立に失敗したことを認めたドイツのメルケル首相は20日、「少数与党で政府を樹立するよりは再選挙を望む」と述べ、現時点では再選挙の可能性が高くなっています。
昨晩メルケル首相はシュタインマイヤー大統領と会談、大統領は各政党に「責任を果たし組閣への交渉へ戻るよう」求めましたが、第二党社会民主党は「選挙準備はできている」と発言、極右政党「ドイツのための選択」はメルケルの与党が失敗したとして歓迎ムードで、ドイツは戦後経験したことの無い政治危機に直面しています。
これを受けて欧州序盤に1.18台まで買い戻されたユーロドルは、その後ドルの強さや、ドラギ総裁がインフレに関してハト派的な発言をしたこともあって海外時間を通じて下落、一時1.1728と昨日東京時間の安値1.1722に接近した後、東京時間早朝も1.1730台の安値圏で推移。
尚、未明に米トランプ大統領は9年ぶりに北朝鮮をテロ支援国家に再指定すると発表、北朝鮮に対する圧力を更に強める姿勢を示しましたが、今のところ為替市場の反応は限定的です。また、イエレンFRB議長は昨晩パウエル氏への議長交代後FRBに残らない意向を表明しています。
ドイツの政治情勢は流動的かつ前例が無く先が読みにくい状況で為替市場は消化不良気味、しばらくユーロは値動きの荒い状況が続きそうです。
今週は23日が日本(勤労感謝の日)米国(感謝祭)で休日。24日も米株式・債券市場が短縮取引となることから休暇ムードで次第に取引が閑散となっていくことが予想される中で、ドル円は材料が分散気味。
焦点は日本時間23日未明に公表予定のFOMC議事録(10/31-11/1開催分)ですが、トランプ大統領は昨晩も「大規模減税が国民へのクリスマスプレゼントとなる」と述べ税制改革法案の年内成立をあきらめた様子はなく、上院での法案審議の行方にも注目が集まります。また、このところ不気味な沈黙を守る北朝鮮が昨晩のテロ支援国家指定に対しどのような反応を見せるかにも注意が必要です。
オーダー/ポジション状況
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