ドル円今週の週間見通し(週報11月第三週抜粋)

先週は週初は113円台後半でもみあいとなっていたものの114円をつけることが出来ず、徐々に上値が重くなる流れの中、ユーロドルの急騰が全般的なドル安の動きを招き、

ドル円今週の週間見通し(週報11月第三週抜粋)

今週の週間見通し

先週は週初は113円台後半でもみあいとなっていたものの114円をつけることが出来ず、徐々に上値が重くなる流れの中、ユーロドルの急騰が全般的なドル安の動きを招き、ドル円も着実に円高の動きとなりました。

株価は上下があったものの、リスクオフと言えるほどの動きではありませんでしたが、米国の長期金利は2.4%以上で着実に上値が重い動きとなっていて、税制改革法案や米国の経済成長といった表向きの材料以外で、潜在的な懸念が米国債の買いという形で現れ、それが長期金利が上がらなくなってきた要因と考えられます。今回はまず米国10年債利回りの日足チャートから見てみましょう。

今週の週間見通し

短期金利と異なり長期金利(債券)は、需給や市場環境に敏感に反応するが故に、株や為替に近い面も持っています。特に米国債は流動性も高いため、金融商品としてだけでなく投機的な動きを見せることもあるのですが、上記のチャート内で水色の点線で示したように、現在はヘッド&ショルダーの反転パターンを形成中に見えます。最近ではユーロドルなどでも現れたチャートパターンで、必ずしも反転というわけでは無いものの反転し、長期金利の一段の低下につながる可能性があります。

トランプ政権へのモラー捜査官の操作の進展や、最近では妙に静かな北朝鮮動向などリスクオフに繋がりやすい材料の方が目立ちます。そうした動きが米国債買いへ繋がり思ったよりも下がったなというような金利水準に今後なる可能性があることは意識しておきたいところです。

先週もうひとつ気になったのが、シカゴの円ポジションです。14日付のポジションが金曜の引け後に発表されましたが、円売りポジションが135,999枚と7月の枚数を超え、驚くべき高水準となってきました。そして、その後の円高の動きです。おそらく週後半に多少のポジションは落ちたと思うものの、いまだかなりの円売りポジションが残っていることを考えると、ここから一段の円高の動きが出てきたときには、思いのほか大きなポジション調整が入るリスクがあります。中期的には110円の大台を試しやすい地合いへと転じてきたと考えられます。

ドル円の日足チャートもご覧ください。

9月下旬以降の動きを見るとフタコブラクダの様な高値形成をしていますが、9月安値107.33と11月高値114.73の38.2%押しにあたる111.90が現在の水準です。また10月安値111.66を下回ると、半値押しにあたる111.03が次のターゲットとなります。

ドル円相場と相関の高い米国長期金利の動きや、市場を取り囲む材料、またテクニカルにも111円水準を試しに行こうとしているのが現在の流れであると考えられます。今週もドル安円高材料が多いと考え、110.90レベルをサポートに、112.90レベルをレジスタンスと、引き続き下方向に余裕のあるレンジを見ておきます。

ドル円(日足)チャート

ドル円(日足)チャート

このチャートは、ローソク足の足型をそのままに陰陽の着色のみを平均足と同様とすることで、短期的な方向性(白=上昇、黒=下降)を見やすくした独自チャートとなっています。また、一目均衡表を併せて表示することで上下のチャートポイントもわかりやすく示しました。

前週の主要レート(週間レンジ)

     始値   高値   安値  終値

ドル円  113.69 113.91 111.95 112.14
ユーロ円 132.58 133.86 131.92 132.21
ユーロドル 1.1662 1.1862 1.1637 1.1792
日経平均 22607.56 22607.92 21972.34 22396.80

(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。為替の高値・安値は東京午前9時?NY午後5時のインターバンクレート。

今週の予定(時刻表示のあるものは日本時間)

今週注目される経済指標と予定をあげてあります。影響が少ないものはあえて省いています。FRB地区連銀総裁講演の内、2017年FOMCメンバー(ニューヨーク、フィラデルフィア、シカゴ、ミネアポリス、ダラス)ではない地区連銀はカッコ付で示しました。わかりやすさ優先で、あえて正式呼称で表記していない場合もあります。

11月20日(月)
08:50 本邦10月貿易収支
16:00 ドイツ10月PPI
20:45 オーストリア中銀総裁講演
21:15 ラウテンシュレーガーECB理事講演
23:00 ドラギECB総裁講演
23:15 コンスタンシオECB副総裁講演
24:00 米国10月景気先行指数

11月21日(火)
09:30 豪中銀理事会(7日)議事録公表
**:** 豪中銀総裁講演
18:30 英国10月財政収支
24:00 米国10月中古住宅販売件数
24:00 クーレECB理事講演

11月22日(水)
08:00 イエレンFRB議長講演
17:00 南ア10月CPI
21:00 メイ首相・コービン党首討論
21:30 英国財政報告書公表
21:30 フランス中銀総裁講演
22:30 米国新規失業保険申請件数
22:30 米国10月耐久財受注
24:00 ユーロ圏11月消費者信頼感速報値
24:00 米国11月ミシガン大消費者信頼感指数確報値
24:30 米国週間原油在庫
28:00 FOMC(1日)議事録公表

11月23日(木)
**:** 東京、NY市場休場
16:00 ドイツ7〜9月期GDP確報値
16:45 フランス11月企業景況感指数
17:00 フランス11月製造業・サービス業PMI速報値
17:30 ドイツ11月製造業・サービス業PMI速報値
18:00 ユーロ圏11月製造業・サービス業PMI速報値
18:30 英国7〜9月期GDP改定値
**:** 南ア中銀政策金利発表
21:00 フランス中銀総裁講演
21:30 ECB理事会議事要旨公表
25:30 スイス中銀総裁講演
27:15 クーレECB理事講演
30:45 NZ10月貿易収支

11月24日(金)
18:00 ドイツ11月ifo景況感指数
**:** ムーディーズ南ア格付け発表
**:** 米国取引所短縮取引

ディスクレーマー

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