<< 先週の回顧 >>
先週のドル/円相場は、ドル安・円高。週末にかけては約1ヵ月ぶりとなる一時112円割れを記録するなど、1週間を通して円の強さが目に付いた。
ドル/円は113.40-45円と前週末のNYクローズに比べ、やや円高レベルで寄り付いたものの、そのあとしばらくはドルが小じっかり。週高値となる113.91円まで値を上げたものの続かず、週末にかけて緩やかな右肩下がりをたどる展開となった。材料が決してなかったわけではないが、それよりむしろ日柄面を背景に置いた需給要因、これまでのポジション調整の動きが活発化した動きであったことは間違いない。
112円前半から半ばで一度下げ止まるも、割り込むと約1ヵ月ぶりとなる一時112円割れ、111.95円まで値を下げる局面も観測されている。しかし、週末NYの終盤にかけては何とか112円台を回復、112.10円前後の水準で取引を終え、越週となった。
一方、週間を通した主な材料のひとつは、様々な米国ファクター。そのひとつは、いわゆる「ロシア・ゲート問題」の再燃とそれを受けた政権運営不安、また欠員が多く存在するFRB理事(副議長含む)人事に関する幾つかの報道や、米税制改革をめぐる動きなども市場で話題となっていた。
さらに、今月9日だけで「往復860円もの乱高下をたどった」ことには及ばなかったが、日経平均株価も総じて値動きが荒く、相場の波乱要因に。
<< 今週の見通し >>
9月の107.32円を起点に調整らしい調整もなく、ドルは高値114.74円まで2か月近くも上昇しており、さすがにその調整が断続的に観測されている。しかしながら、ポジション的には依然としてかなりの円ショートに傾斜しているため、米感謝祭というカレンダー的な要因も鑑みた場合、今週も引き続き調整の動きが続く可能性を否定できないかもしれない。
なお、材料的にもドルの弱材料が少なくないうえ、テクニカルにも下値リスクが高まってきた感を否めない状況だ。
テクニカルに見た場合、これまで形成していたレンジの下限である113円レベルをしっかり下回ってきており、短期的な流れは変わった感がある。
また、週足の観点でいえば、112.30-40円に位置した2つの重要なテクニカルポイント、すなわち一目均衡表の先行帯の雲の上限と移動平均の52週線を週末のNYクローズで下回ってきたことも、下値リスクの高まりを感じさせる一因と言えよう。9月安値107.32円を起点とした上げ幅のフィボナッチ38.2%押し(111.90円レベル)は辛うじて維持しているものの、これを下回るようだと次のターゲットは111円前後か。ともかく、ドルの続落に注意を払いたい。
一方、材料的には、10月の景気先行指数をはじめ重要な米経済指標の発表が予定されているほか、22日のFOMC議事録公表も一応要注意。後者について、すでに12月利上げは既定路線で織り込みが進捗するなか、来年以降の慎重かつ緩慢な利上げペースが再確認されたりするようだと、足もとのドル安を支援する要因になりかねないだろう。
また、そのほかでは週初20日に発表される日本の貿易収支への警戒感も強いようだ。11月上旬からのトランプ米大統領によるアジア歴訪では、改めて日本や中国などによる米国向けの貿易黒字が批判されただけに、果たして如何ほどの内容となるのか要注目。
そんな今週のドル/円予想レンジは、110.70-113.50円。ドル高・円安については、前述したように先週割り込んできた52週線などが位置する112.30-40円が最初の抵抗で、抜ければ113円台回復が視界内に。ただ、上方向のテクニカルポイントは多く、上値は重いイメージだ。
対するドル安・円高方向は、先週安値である111.95円をめぐる攻防にまずは注視。フィボナッチの観点でも強いサポートに当たるため、しっかりと下回ることはできるだろうか。割り込むようだと前記したフィボナッチにおける半値(50.0%)押しに当たる111.00-05円が次のターゲットとなりそうだ。(了)
オーダー/ポジション状況
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